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高価な3Dプリンター用フィラメントを天敵の湿気や酸素から守る真空ドライケース「PrintDry」

FDM方式(Fused Deposition Modeling / 熱溶解積層法)の3Dプリンターもモノにもよりますが普通のサラリーマンの小遣いでも購入できるくらい安くなり、ボーナスが出たのを気に思い切って3Dプリンターを買った!!と言う方が増えているのか、大手の家電量販店でもフィラメント呼ばれる糸状のプラスチック素材が簡単に手に入る様になりました。

ただこのフィラメント、フィラメントの種類やメーカーにもよりますが値段もまちまちで、1リール買うと1万円前後はしますのでその扱いには注意しなければらない事が多数あるのですが、割とフィラメントを3Dプリンターにセットしたまま放置していて、プリントしようと思った時にフィラメントがプチプチと音を立ててノズルを詰まらせたり、フィラメントは出ているのに出ているフィラメントがちゃんと溶けていないのか段々と造形物が変形して行ったりと言う事がよく起こります。

ただこの原因がフィラメントだとは気付かずに3Dプリンターばかりを点検し、最後にもしかしたらと思いフィラメントを交換したらうまく造形できたなんて事はよく聞く話です。

そんな取扱を慎重にしなくてはいけないフィラメントを厳重に収納しておくドラム式のケース「PrintDry」を今回はご紹介致します。


では何故、フィラメントは吸湿するのか?

あまり一般的には知られていませんが、プラスチック(樹脂)には吸湿性、吸水性が実はあるのです。中学や高校生時代に理科や科学の授業でプラスチック類の化学式を習ったと思いますが、プラスチックの種類によっては酸素(O)や水酸基(OH)が入っているものが多くみなさんが造形でよく使われるPLA(ポリ乳酸)樹脂の化学式は”(C3H4O2)n”と表され、確かに構造式を見ると”O”や”OH”が含まれているのを見る事ができ吸水性があるのだな、と言う事がわかります。

ではどうすればフィラメント樹脂は吸湿せず素材が劣化しないのか?を考えたのがこの「PrintDry」で、一般的なフィラメントケースがただ単に密閉してするだけなのに対してこの「PrintDry」では中の空気を抜いて真空にして湿度をゼロにするのですが、真空にする事で酸化にも関わる酸素も完全に抜いていますので、酸化も同時に防ぐ事ができます。

一方、密閉するだけのケースはケースにシリカゲル等の除湿剤も一緒に封入しておくのですが、除湿剤を入れたとしても完全に容器の中の湿度がゼロになるわけではなく数%でも湿度は残りますし、もちろん酸素も含まれていますので、空気中に放置するよりはずっとマシですが、それでも劣化は確実に進行します。

それを空気を抜くだけで確実に劣化を防ぐ事ができ、劣化してまだ見た目は使えそうなフィラメントを買い直すくらいなら、空気を抜く手間を惜しまずにフィラメントを保管した方が得策ではないでしょうか?

それに湿度を抜く為にヒーターベッドで温めたり電子レンジで加熱したりと言う方法もある様ですが、失敗して溶かしてしまいフィラメントが変形すれば射出するフィラメントの量が変わって来て造形ムラが出来てしまいますので、安全な「PrintDry」を選ぶ方が得策です。

なお、この「PrintDry」に収納できるドラムの最大の大きさは直径205mm、高さ(幅)85mm以下のドラムとなりますので、詳細につきましては下記URLをご覧ください。

https://www.kickstarter.com/projects/730230926/vacuum-sealed-filament-container-by-printdry

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