今回紹介するBIOTAR(ビオター)レンズはオールドレンズをこよなく愛する方であれば一度はこのレンズを愛用のカメラに取り付けて撮影してみたいと思わせるレンズで、シャボン玉がその空間全てを覆い尽くしているかの様な風景が撮影できるトリオプランレンズ同様に戦前にドイツで開発されて戦前・戦後に販売されたレンズです。
このレンズの特徴は何と言ってもピント面はシャープにクッキリとしたエッジでデュアルレンズを使って3D撮影しなくてもピント面の被写体は回りの風景からは切り離された様に浮かび出ているかの様に写るのですが、その回りの風景はグルグルとした渦巻きフィルターがかかっているかの様に時計回りに流れている絵が撮れるのがこのビオターレンズの特徴で、今回紹介する「BIOTAR 75/f1.5」はビオターレンズの中でも焦点距離75mm、F値1.5の復刻レンズになります。
復刻レンズとなりますので銀色の円筒形のフォルムはそのままなのですが、映像表現は元となった75/F1.5を忠実に再現しているのですが、5枚の絞り羽根を絞りをオープンにすればオープンにするほど、そのボケ味は元となったレンズ以上に渦巻きボケを作り出す様になっています。
ですからこのビオターレンズではオープンにして撮影した場合、レンズ中心部分のピント面の被写体は本当にクッキリとシャープに被写体を捉える事ができるのですが、ピント面よりも遠い被写体は遠ければ遠いほどグルグルとした渦にかき消される様に薄く映り込みます。
そして逆に絞って行けばグルグルとした渦巻きがなくなり、ビオターレンズはもう1つのレトロチックな面を見せます。絞った写真を見ると、どことなく昭和の匂いがする様な古い何十年も経過した古いアルバムに貼ってあるちょっと色あせた様な写真を思い起こさせる絵を作り出します。これはおそらくレンズ効果でこのビオターレンズを通した風景に映り込む被写体の1つ1つがブレると言うか、絵で言うと隣合った色同士が混ざり合ってブレンドされてボケると言うか重厚感が出ると言うか、その様な色合いになるからだと思うのですが、どことなくホッとすると言うか、ほのぼのとする写真を撮る事ができます。
なおレンズマウントにつきましてはキャノン、ニコン、Sony-E、Leica-M 、FujiX、M42、Pentax-Kと言ったメジャーなものがラインナップされていますし、製造はケンコー・トキナーとの事なのでちょっと楽しみですね。また詳細と合わせてこのビオターレンズを使って撮影したサンプル写真は下記URLにてご覧ください。
https://www.kickstarter.com/projects/315452809/the-rising-all-star-team-returns-legendary-biotar
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