フィラメントと呼ばれる樹脂を溶かしながら溶けた樹脂を積み重ねて行くFDM(Fused Deposition Modeling/熱溶解積層)方式の3Dプリンターの場合、多くの3Dプリンターが1種類のフィラメントを使って仕上げる仕様になっています。
そのため、部位ごとに色分けを行おうと思うと後から色付けを行うか、色毎にパーツに分けて造形を行い、後から組み合わせるしかありません。
ただ後者の場合パーツ分けしなければならない上にジョイント部分の設計等もしなければいけませんし、実際に組み立てた時に入るのかどうか(別なパーツに邪魔されて入らない様にはなっていないか)と言う事も考慮しながら設計しなければいけませんのでそれなりのスキルも必要になって来ます。
ですが、ただ色分けするだけで造形してくれる3Dプリンターがあればそう言ったパーツ分けも不要ですの初心者でも挑戦しやすいと言うものです。
そこで今回は、2種類のフィラメントを扱える3Dプリンター「Cetus2」をご紹介致します。
2種類のフィラメントを混ぜて出力
今回紹介するFDM式3Dプリンター「Cetus2」は2種類のフィラメントを1つのヘッドから射出するタイプのFDM式の3Dプリンターで、こう言った2種類、3種類のフィラメントを3Dプリンター側が造形データに基づいて自動的に切り替えて連続造形する事が可能な3Dプリンターと言うのは既にいくつもあります。
ただその場合、射出されるフィラメントは点線の様な状態で2種類ないし複数のフィラメントを交互に射出する事で色分けする事ができます。
ですが今回紹介している3Dプリンター「Cetus2」は同時に2種類のフィラメントを混ぜて射出する事ができるのです。
こう言った機能を有するFDM式の3Dプリンターはホビー用にはなく、遂にホビー向けの3Dプリンターもここまで来たか!!と言う感じです。
この様にミックスする事ができる様になれば色の表現も増えますし新たな模様を作り出す事もできます。
また、性質の異なるフィラメントでしたらどうしても2種類のフィラメントの膨張率、収縮率の違いでフィラメントの繋ぎ目の強度が落ちてしまうのですが、ミックスして出力する事で強度を保ちつつ例えばPLAとTPUを組み合わせてスマホケースなどを自作すればより耐衝撃性の強いスマホケースを自作する事も可能になって来ます。
Tiertime UP Studio 3
そしてこの「Cetus2」の造形は特殊なため、専用アプリが用意されています。
造形データは多の3D CADソフトで作ったものが読み込めますので、3Dデータは慣れたソフトで作成し、色付けや、フィラメントの変更だけをこの専用アプリ” Tiertime UP Studio 3”で行う様にしておけば非常に効率的に造形データを作る事ができますし、初心者の方は最初から3D-CADアプリが付属しているので余分な投資なく3D造形を始める事ができます。
ラインナップは4種類
そしてこのCetus2には4つのバリエーションが存在します。
どのバリエーションもデュアル・フィラメントで造形ボリュームが200×300×300mm、XY解像度は0.8mmです。
また使用可能なフィラメントの種類はPLA, PETG, PVA, TPU, TPE, ABS, ASA, PC, HIPS, PAの10種類になります。
次に各バリエーションの違いですが”Essential”は入門機・安価機でディスプレイはモノクロOLED、他のバリエーションはカラーTFT、モーターも他のバリエーションは静音モーターなのに対して標準的なスティッピングモーターを使用しています。
またプラットフォーム(ヒーターベッド)の調整も”Essential”はマニュアル、Z軸のレベルもマニュアルなのに対して他のバリエーションはオートになっています。
また最上位機種のDeleuxeはフィラメント切れやフィラメントの射出状態をモニターできるので、大きなものを造形したりする事が多いのであればDeleuxeが失敗がありませんし、コスパを考えるなら”Standard”です。
“Standard Open souece”は専用アプリ”UP Studio 3”が付属せず市販のアプリを使うバージョンなので既に使い慣れた3D-CADアプリがあり、そちらでデータを作る事ができると言う方は、アプリなしで良いのではないでしょうか?
なお詳細につきましては下記URLをご覧ください。
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