3Dプリンターと言うのはFDM方式はフィラメントと呼ばれる樹脂を溶かしながら重ねて行きますし、SLA方式はレジンと言う液体樹脂に紫外線を当てて固めて行きますので、どちらも積層痕と呼ばれる凹凸が表面に残り、この凹凸を少なくするには積層ピッチを細かくするのが1番なのですがそれでも凹凸は残りますし、この凹凸をヤスリで削るにしてもヤスリが入っていかない様な場所はそもそも表面を削って整える事ができません。
そこでヤスリの代わりに使われる様になったのがアセトンと言うマニキュアの除光液に含まれている溶解剤を使って表面を溶かして滑らかにすると言う手法で、一般的にはアセトンを染み込ませた布を造形物に巻いて凹凸のある表面を溶かして滑らかにするのですが、布に染み込ませるアセトンの量のムラによって溶け方が違ったりする事もあり、作業的にはヤスリがけよりも楽なのですが、最終仕上げで失敗する事も増えますので、どちらもメリットデメリットがあります。
ですが今回紹介する「TOPPOSH」を使えば、3D造形後の作品を失敗する事なくあった10分で綺麗に表面を仕上げる事ができます。
蒸気化処理
3D造形物の表面をツルツルに整えるポリッシュ処理にアセトンを使う場合、そのままアセトンの中に浸けてしまう方法と、造形物にアセトンを染み込ませた布を巻く方法と、密閉された容器の中で気化されたアセトンを充満させて表面を溶解させると言う3つの方法があります。
この中でアセトンに染み込ませた布を巻く場合、箱の様な表面が平らなものであれば均一に布が当たるので溶けるのも均一なのですが、フィギュアの様な細かな凹凸の多いものになるとアセトンを染み込ませた布が当たらなければ、(気化されたアセトンが接触して多少は溶けますが)そこはあまり溶けません。
一方でドボンとアセトンに浸けてしまう方式は、アセトンから造形物を上げてすぐにアセトンを洗浄しませんと溶け続けますのでリスクが大きいのがデメリットなのですが、蒸気化処理は密閉された容器の中で気化させたアセトンが均一の造形物に触れるので均一に溶けてしかもドボンとつけ込むよりは溶解スピードが遅いのでベストなタイミングで止める事ができます。
またこの「TOPPOSH」には温度調整用のダイヤルとタイマーが備えられており、決められた時間をキッチリ守る事で均一な表面処理が行えます。
跡が残らない
そしてアセトンによる表面のスムージング処理において1番問題になるのが、3D造形物が接触している土台部分の模様に合わせて溶け、その模様が3D造形物に残る事です。
もし底面に残っても良いのならそのまま土台の上に置けば良いのですが、全ての面において跡から残らない様にしようと思うと細いワイヤーや釣り糸で吊るしかなく、この「TOPPOSH」のバスケットには吊るためのワイヤーが巻き付けられ空中に吊る事ができる様にもなっています。
更にバスケットのサイズは334mm×203.5mm×185mもの大容量サイズで、1/10サイズのフィギュアもそのまま表面のスムージング処理が出来るのもこの「TOPPOSH」のメリットの1つです。
ABSだけではなくPLA樹脂にも対応
そしてまた、この「TOPPOSH」は、同ジャンルの製品の多くがABS樹脂オンリーと言うものが多い中にあってPLA樹脂にも対応している所がポイントの高い所です。
造形物をABS樹脂で作るのかPLA樹脂で作るのかは使う用途によって違って来ますが、どちらにも対応していると言うのはポイントの高い所ですので、もし興味を持たれた方は詳細は下記URLをご覧ください。
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