台風や大雨等で河川が増水して洪水などが起こり、車で避難された方が濁流にのまれて車に乗ったまま流され亡くなったと言うニュースを見聞きすると、必ず出て来るのが”ガラスブレーカー”と言う脱出工具です。
車外の水かさが増してドア下1/3も水に浸かると、外の水の圧力で女性や子どもさん、お年寄り等はドアを開ける事はほぼ無理ですし、男性でもかなり屈強な筋肉質な方でないと開ける事はできません。
そこで、どこからどうやって濁流に乗って流される車内から車外へと脱出するのかと言いますと、窓です。ただ最近の窓はモーターで上下するパワーウィンドなので、ドア内の配線やモーターが水に濡れていたら当然動きませんので、最終的にはガラスを割って脱出する事になるのですが、車の窓ガラスは強化ガラスが使われていて、金槌で思いっきり殴っても割れない強力な強化ガラスもあります。
ただ、強化ガラスはピンポイントである一点に非常に強い力をガラスに加えてクラックを入れる事ができれば、後はそのクラックが蜘蛛の巣状に広がってあっという間にガラスをバラバラに、粉々に割る事ができますので、その割った窓ガラスから脱出する事ができます。
そこで今回は車の強化ガラスを安全に、女性や子どもさん、お年寄りの方でも簡単に割る事ができる「WYN Bullet」をご紹介致します。
押しつけるだけでガラスは粉々
このガラスブレーカーの特徴は尖った先端を、少し力を入れて車の窓ガラスに押しつける事で簡単にかつ安全にガラスを割る事ができる点です。
一般的なガラスブレーカーはこの「WYN Bullet」と同じ様にスティック状の棒の先が尖っているだけでなく、先端の尖った部分にはチタン合金やタングステンと言った非常に硬い金属で作られているのが特徴なのですが、非常に強い力でガラスに押しつけなければならず、ガラスが割れてもそのまま力を入れたままだと腕を突き出す事になり、割れたガラス片で手や腕を怪我してしまう可能性があります。
またハンマー、金槌タイプのものもありますが、こちらも思いっきり振り下ろさなければなりませんので、その勢いで振り下ろした腕にガラス片が降りかかって来るかもしれませんし、ハンマーを打ち付けた反動でガラス片が飛び散って当たってしまうかもしれないと言う危険が伴います。
ですがこの「WYN Bullet」でしたらそぉ〜っと押しつけるだけで簡単にガラスは割れるので、勢い余って手を出し、腕にガラス片が降り注いで来て怪我をすると言う様な事はありません。
原理はスプリングポンチ
スピリングポンチと言うのは硬い、例えば金属の様な素材に、穴を空けたい場所にマーキングする為の工具なのですが、このスプリングポンチはボールペンの様な構造になっており、素材に押しつける事で芯の部分が中に引き込まれます。
そしてある程度まで押しつけると引き込まれた芯のロックが外れ、芯を押し出す役目をするスプリングも一緒に圧縮されていますので、このスプリングが伸び、その伸びた力で芯が素材に当たりマーキングを行います。
それとこの「WYN Bullet」は同じ原理になっており、マーキングではなくガラスを割る事ができると言う訳です。
ただスプリングポンチが代替品になるかと言うと、強化ガラスを割るにはガラスに当たる先端の尖ったハンマーにつけられた角度や、素材の硬さ等も重要になって来ますので、必ずしてもスプリングポンチが代用品になるとは言えませんのでご注意ください。
なお昔、車内に閉じ込められ脱出できなくて恐い経験をされた方、また商品について興味のある方で詳細をご覧になりたい方は下記URLをご覧ください。
https://www.kickstarter.com/projects/wynlabs/wyn-bullet-saves-lives
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