”エルゴノミック”とは”人間工学”と訳され、人間が使いやすい様に作られたものの事を差しますが、エルゴノミックの定義は曖昧で、設計者や企画者がエルゴノミックデザインだと言えばそれはそうですし、納得いく説明や効果と言ったものがあれば否定できません。
ですが、多くの機械設計者が生理学に精通しているかと言うと、生理学は医学ですからそうとも言えませんし、人間に優しい、疲れないモノ作りをするのであれば筋肉の拮抗・共働と言ったものまで把握する必要があります。
そう言う点において従来のエルゴノミックキーボードと呼ばれるジャンルのキーボードは真のエルゴノミックではなかったのですが、今回紹介する「Glove80」は本当によく人間の筋肉の性質を理解して作られたエルゴノミックキーボードです。
手首フラットデザイン
まずこのエルゴノミックキーボード「Glove80」でまず注目して頂きたいのがアームレストによってキーの位置が手首の位置よりも低くなる様に設計されている所です。
一般的なキーボードも、エルゴノミックを謳うキーボードの多くも1番手前のキーが手首の位置よりも高ければ基本的には手首を上げた状態で手を保持しつつキー入力を行わなくてはいけません。
ただこの状態と言うのは手根伸筋群と言う筋肉を常に縮めた状態で手首を上げていなくてはならない上に指を伸ばす時に使う指伸筋が補助筋・共同筋として動きますので、ホームポジションを取った状態を維持し続けているだけで手の伸筋側の筋肉はずっと疲労を蓄積して行きます。
更に指伸筋側を収縮させた状態で指を折り曲げてキーを打つ操作と言うには逆に動かしていますので指を動かす筋肉に必要以上の過大な負荷を与えますので更に疲労が蓄積されますし、キー入力のスピードにも影響を与えます。
一方でこの「Glove80」の様にホームポジションで構えた時に手首が真っ直ぐな状態を保てると言う事は伸筋側の筋肉の使用が他のキーボードとして非常に少なくなるため筋肉疲労が少なくて済みますし、指伸筋の緊張・収縮も少ないためキー入力のスピードも確実に上がります。
ショートトラベルキーと6つの親指キー
そして腕の疲労、指の疲労、そしてキー入力スピードの事を考えれば指を動かす距離が短いに越した事はなく、その為にこのエルゴノミックキーボード「Glove80」は非常に深い逆アーチを描く様にベースが作られており結果としてファンクションキーの様なキーも手首を上げて手を移動させなくても指を伸ばすだけで押す事ができる様になっています。
更にこの「Glove80」は左右セパレートキーボードになっているのですが、左右どちらのキーボードにも内側、親指側に小さな6つの特殊キー(SHITFT、CONTROL、SPACE、ALTの4つはどちらにもあり、右側にはENTERとSystemキー、左側にはLayer、Deleteキー)がデフォルトキーとしてセットされており、小指側にこう言った特殊キーがあるQWERTYキーボードですと手首を外側、小指側に曲げてキーを押さなくてはいけませんが親指付近に集中させる事で手首を曲げずに打つ事ができると言うのも筋肉疲労の軽減に繋がっています。
またキーはゲーミングーの中からKailh Choc v1のロープロファイルタイプの白軸、茶軸、赤軸の3種類からチョイスできる様になっている他、ストレッチゴールによって選択できるキーは更に増えます。
キーレイアウトはブラウザで変更可能
そしてこの「Glove80」はキーレウイアウトを自由にユーザーが変更できるのですが、何と専用アプリをPCにインストールしなくてもChromeに拡張機能を入れるだけでブラウザでキーレイアウトの変更が出来る様になっていますので、タブレットやスマホでもキーレイアウトの変更が可能です。
またキートップはさすがに”かな”プリントのキートップは用意されていませんが、AZERTYキー配列やGB/DE/SE/NO/DK配列のキーはオプションでラインアップされています。
また「Glove80」はセパレートタイプながらもBluetooth5.2での接続が可能で最大で4台のデバイスとペアリングしておく事ができるほか、USBケーブルによる有線接続にも対応しており、キー入力の楽さだけでなく使いやすさも重視されたキーボードになっていますので、もし興味を持たれた方は詳細は下記URLをご覧ください。
https://www.kickstarter.com/projects/moergo/glove80-the-incredibly-comfortable-ergonomic-keyboard
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