3Dプリンターってデータさえあれば家庭でも簡単に3D造形できるんだと思われがちなのですが、実は紙に印刷する為のプリンターとは違い、非常にデリケートなプリンターなのです。
例えば1番普及しているFDM方式のフィラメントを溶かしながら造形して行く3Dプリンターでは、本体のキャリブレーションも毎回、当たり前の様にやならければいけないのは当然なのですが、材料のフィラメントの管理も実は重要でフィラメントを3Dプリンターに取り付けたまま放置しておくと空気中の水分をフィラメントが吸湿してしまい劣化して行きますし、それは当然、失敗に繋がります。
そしてレジンを紫外線によって硬化させながら造形するSLA 3Dプリンターでも同じでレジンの管理、装置の管理もそごく重要で、今回は8k解像度を実現するだけでなく経済性にも優れたLCD-SLA 3Dプリンター「Pegasus 8k」をご紹介致します。
脱着可能なトレイ
LCD-SLA方式の3Dプリンターは液晶画面にスライスデータを表示させ、LCDの背面から紫外線LEDを照射する事で液晶ディスプレイを通過した紫外線がレジンを硬化させ3D造形を行いますので、ここで使用するLCDが高解像度であればあるほど、造形物のディテールも上がりより繊細な造形を行う事ができるのですが、問題は管理です。
LCD-SLAはレジン液の入ったトレイの下面から紫外線を照射するのですが、どうしても漏れた紫外線によってレジンが固まりレジン液の中を固まったレジンが浮遊したり、底面のガラスパネルに硬化したレジンが付着したりして造形精度を落とす原因となっています。
ですから精度の高い造形をするのであれば造形が終われば都度、レジンをフィルターにかけて濾し、そしてLCDパネルを覆うガラスを磨くと言った作業が必要になって来るので、その面倒な作業をこの「Pegasus 8k」ではレジントレイを脱着し洗える様にしただけでなく、トレイの底面に交換可能なフィルムを貼る事でLCDパネルが汚れない様にしたほか、フィルムの交換で次の造形がすぐに行える様な環境を作っています。
レジンの自動補給装置
次にこの「Pegasus 8k」では最近ちょこちょこと見かける様になって来た、レジンの自動補給装置を備えています。
このレジンの自動補給装置は、例えばこの「Pegasus 8k」の場合、最大造形サイズは219mm×123mm×255mmですが、これだと7L(リットル)以上の大量のレジンをタンクに最初に貯めてから造形しなければいけませんが、それだと非常に多くの無駄な廃棄するレジンが増えますし、装置もかなり大きくなります。
ですが自動補給装置があればレジンをうっすらとトレイに貯めた状態に保つだけで造形は継続されますので、無駄な廃棄レジンの量も少なくて済みます。
温湿度コントロール
そしてこの「Pegasus 8k」が最も魅力的なのが温湿度センサーを搭載し、温度や湿度によって造形を自動制御できる機能を備えている所です。
やはりレジンも薬品なので環境に左右され、気温が高くレジン温度が高いと結果的にレジンの密度が低くなりますので照射時間が短くても硬化しますが、逆に低いと密度が高くなり紫外線の照射が短いとしっかりと硬化しないと言った問題が出て来ますので、それを自動制御し、失敗が起こらない様にしてくれる機能と言うのはレジンを無駄にしなくて済みますので、もし興味を持たれた方は詳細は下記URLをご覧ください。
https://www.kickstarter.com/projects/jash-3d-printer/jashnc-msla-3d-printer-pegasus-8k
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