SLA3Dプリンターと言うのは、レジンと呼ばれる紫外線を当てると固まる紫外線硬化樹脂を原材料とする3Dプリンターで、最近ではLCD-SLAと言って、液晶ディスプレイを装置の底に配置し、液晶ディスプレイに輪切りにされたスライスデータを表示させ、液晶ディスプレイを透過した紫外線によって1層1層を一度に造形する事が出来るため、造形スピードが当初の頃のものと比較しても何倍も早くなっていますが、それでもSLA 3Dプリンターは数十分と言う単位ではなく数時間単位での造形時間が必要です。
そこで今回はスライサーを3Dプリンター側に搭載する事でよりスピードアップされたLCD-SLA 3Dプリンター「Athena 8K Printer」をご紹介致します。
スライサー搭載で60%スピードアップ
では何故スライサーを3Dプリント側に搭載する事でスピードアップする事ができるのでしょうか?
スライサーと言うのは3Dデータを細かく輪切りにしたデータに変換する為のプログラムで、基本的には造形物の高さ÷1層あたりの厚み分のデータがスライサーによって作り出されてますので、同じ高さの造形物であれば本来は造形スピードは同じで、スライスされたデータをLCDディスプレイに表示し、紫外線を当てて硬化させ、ベッドを引き上げ次のデータを表示させてと言った作業を延々と繰り返します。
ですからそのスライスデータがどの様なデータになっているかで差が出ますし、一般的なスライサーはどの3Dプリンターでもプリントできるスライスデータを吐き出しますが、この「Athena 8K Printer」では自分に最適化されたデータを出してくれればよく、その様にチューニングされているので早いです。
またレジンには硬化しやすい温度と言うものがあり、温度が高くても低くても硬化に時間がかかりますので、この「Athena 8K Printer」ではレジンの温度を2つの温度センサーによって適切に管理する事で硬化スピードを上げる事でもスピードアップを計っています。
10.1インチ8k液晶で高精細
次にこのLCD-SLA 3Dプリンター「Athena 8K Printer」では10.1インチ219mm×128mmの8k解像度のLCDを使う事で1ピクセル当たりの解像度が0.0285mmと非常に高精細なのも魅力的なポイントです。
このLCD-SLA 3Dプリンターは液晶モニターの解像度=造形物の解像度に精度が直結しますので、1ピクセルあたりの大きさが小さければ小さいほど精密度は上がって行きますので、特にフィギュアなどを3Dプリントするのにこの「Athena 8K Printer」は適しています。
3D圧力センサーによる失敗防止
そしてSLA式3Dプリンターにおいて造形を失敗する原因として多いのがレジン切れと、サポートから造形物が外れて落ちてしまう事です。そこでそれら失敗を防ぐ為にレジンは造形物のサイズから推測されるレジンの量から、3Dプリンターに入っているレジンの量が少なければ、プリントする前に警告しますし、造形中のサポートから造形物が外れて落ちてしまったり、斜めになってしまった場合は圧力センサーが検出して即座に停止させレジンを無駄に使わない、底に失敗してレジンの固まりがたまったりと言う事を防止する様なシステムも導入されていますので、もし興味を持たれた方は詳細は下記URLをご覧ください。
https://www.kickstarter.com/projects/concepts3d/athena-msla-resin-3d-printer
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