IoT（Internet of Thing）と言う言葉をご存知ですか？要はモノをインターネットに接続すると言う意味で、既にテレビやHDDレコーダー等のAV機器はインターネットに接続されていますが、その他の電化製品は日本の分厚い法律や規制の壁で少し前まではインターネットに接続してリモートで制御するなんて事はできませんでしたが、時代が進んでIoTに対応しないと乗り遅れると感じたのか日本でもその規制が緩和された上にIoTデバイスの開発に補助金まで出る様になって来ました。

ただ単純にインターネットに繋ぐとなると簡単な様に見えて実は難しい部分は多々あります。例えば有線LANやWiFｉのある場所であれば問題ありませんが、それら接続環境のない場所ではどうなるのか？リピーターを使うのか？と言う事になりますが、僻地で電源もない場所だと電源の確保も思うように行きませんからそうも行きません。

そこで出て来たのが通信規格の1つがLoRaWAN と言う規格です。あまりまだ知られていませんがLoRaWANは低消費電力で100kbpsで通信可能であり、通信距離は見通しの良い環境で最大約100km、都市部では約2kmと超長いのが特徴です。

そのLoRaWANとWiFiそれにプラスしてBluetoothモジュールも搭載したのがこの「LoPy」です。

「LoPy」のハードスペックは動作電圧は3.3Vで、

 GPIO: 24ピン(3.3V)  UART×2, SPI, I2C, DMA, I2S (audio playback) 
LoRaの通信に使われているチップは「SX1272」 です。

このボードはリモート機器で使う事を念頭に置いて設計されていますのでバッテリー駆動でも長期間動かせる様にと省電力設計になっていて、WiFiで通信時でも12mA待機状態であれば5uA、LoRaモジュールにおいても待機時は3mA、送信時で39mA、受信時に14mAと消費電力にはとても気を使った設計をしております。またBluetoothは通信時は8mA、待機時は2uAです。

またボードにはMicroPythonが搭載されており開発環境はPythonになります。専用のPymakr IDEと言うエディター兼コンパイラー＋アップローダーが提供されますから、RaspberryPiの様にコーディング環境を自分で最初から構築する様な面倒な作業は必要ありませんので、初めてMicroPythonベースのボードを触る人でもArduinoIDEベースでプログラムを開発するのと同様に簡単にボードにコードファイルを書き込んで実行させることができる様になっています。
またiOSやAndroid用に提供されているArduinoやESP8266ボードを直接制御できるアプリBlynk 用ライブラリも提供されますので、スマートフォンで「LoPy」を制御したり「LoPy」から得たデータを表示したりと言うのを最初から念頭に置いた柔軟な設計をしています。

ですから「LoPy」の使い方としては遠隔地に設置した「LoPy」をベースとして製作した観測機器や「LoPy」を接続した電化製品を、もう1つの「LoPy」とLoRaWANで接続し、その「LoPy」をWiFiでインターネットに接続してスマートフォンやPCからWiFiに接続した「LoPy」をLoRaWAN経由でもう1つの「LoPy」を制御すると言うのがこの「LoPy」の使い方です。もちろんBlueooth機器とWiFiのリピーターとして使う事もできますが。

また「LoPy」にはオプションとしてI/Oボードが用意されています。このI/OボードにはmicroSDカードリーダーとLiPoバッテリーの充電回路も搭載されていますので、オプションのボードを使う事で「LoPy」をサーバーとして使う事もできます。

今までリモート観測やリモート制御を行うのに電波の飛距離や電源の確保に悩んでおられたのなら「LoPy」はその点においても優れていますから一考の価値はありますよ。

詳細については下記URLをご覧ください

https://www.kickstarter.com/projects/1795343078/lopy-the-lora-wifi-and-bluetooth-iot-development-p