みなさんは、たまたまカップにドリンクや、器に味噌汁などの汁物を並々とついでしまい、それをトレイに乗せて運ぶ時にこぼしてしまったなんて経験があるかと思いますが、並々と注がれたドリンクや汁物などを溢さずに運ぶにはできるだけトレイを上下させないのはもちろんのこと、移動するスピードも一定にしませんと前後の加速度がかかり、溢してしまいます。
ではプロのウェイターさんはどうやって並々と注いだドリンク等を溢さずに運んでいるのかと言いますと、まずは一定速度で移動して、加速したり減速したりと言うのもできるだけゆっくりと行うだけでなく、歩行にシンクロして上下する身体の揺れは、腕を微妙に揺れに合わせて上下させる事で吸収する様にしています。
ですが誰もがそんな曲芸の様な事ができる訳がありません。
そこで、誰でも並々とカップに注がれたドリンクを溢さずに運ぶことのできるトレイ「Tipsi Tray」をご紹介致します。
遠心力の力
この「Tipsi Tray」に似たものは既にスイングトレイ等の名前で発売されており、しかも日本が発祥です。
さすが汁物の入った丼から汁を溢さずに、盛り付けたまま運ぶ事のできる”出前機”を作った日本らしい発想ですが、この「Tipsi Tray」の原理は遠心力です。
みなさんも水の入ったバケツをグルグルと水をこぼさずに振り回してみられた事があるかと思いますが、この「Tipsi Tray」もそのグルグルと振り回すバケツと同じ様に遠心力を利用しています。
この「Tipsi Tray」は持ち手を軸に前後に揺すると、持ち手の金属の弾性による所も大きいのですが、トレイには遠心力が働き、その遠心力はグラスやカップ、そして器に入ったものにもかかります。
そしてその遠心力はトレイの方、グラスやカップ、器の底の方向へ向かってかかり、中の液体は遠心力でカップやグラス、器の底の方へに引き寄せられますので溢れないと言う仕組みです。
そして歩く前後の揺れは遠心力ですが、上下方向の揺れは出前機はスプリングで上下の振動を緩和して器へ振動が伝わるのを防いでいたのですが、この「Tipsi Tray」では持ち手部分の金属の棒が移動する際の上下の振動を吸収します。
シリコン加工
ですがここでふと、遠心力で溢れないと言う説明は理解できたけれども、器が動かないのは何故?と、思われた方は少なくないのではないでしょうか?
と言いますのもこの「Tipsi Tray」では30°トレイを傾けても器は滑り落ちません。
普通、金属製やプラスチック製、木製でもそうですが、トレイを傾けると10°も傾けたら器は滑り落ちますし、いくら遠心力がかかっていても多少は器は移動しますし、移動する事で器同士が接触して溢れたりと言う事もありますが、この「Tipsi Tray」ではトレイの表面がシリコンコーティングされ最大30°傾けても器が移動する事がありません。
そしてその性質と遠心力とが合わさって初めてこの「Tipsi Tray」は器に入った水分が溢れないのです。
3つに分割
またこの「Tipsi Tray」はトレイの大きさは直径30.5cm、持ち手を含めた高さは29.5cmにもなりますので、これだけ大きなトレイを収納しておくとかなりのスペースを必要とします。
ですがこの「Tipsi Tray」は、トレイ、フレーム、持ち手の3つに分割する事ができますので、収納する時に嵩張りませんし、食洗機を利用して洗う事ができますので、常に清潔に保つ事ができますので、もし興味を持たれて詳細をご覧になりたい方は下記URLをご覧ください。
https://www.kickstarter.com/projects/rms2/tipsi-tray-the-single-handed-easy-to-use-carry-tray
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