レンチはボルトやナットを挟んで回す為の工具の総称の事ですが、その中でもスパナやメガネレンチの様なものは特定のサイズのナットやボルトしか回す事ができませんが、モンキーレンチは先端の挟み込む部分を伸縮させる事で大小様々なナットやボルトを挟んで回す事ができますので、作業する際にナットやボルトのサイズが色々とある機械等を分解したり組み立てたりする時に便利です。
ただこのモンキーレンチもクリアランスの狭い場所ではウォームと呼ばれるネジを回して”あご”を緩めたり締めたりと言う作業がし辛い場合がありますので、そう言う時はスパナやフレアナットレンチなどが便利なのですが、今回紹介するモンキーレンチ「MetMo Grip」は、そう言ったクリアランスの狭い場所でも簡単に”あご”を広げたり縮めたりする事ができる万能モンキーレンチです。
ボールネジを使いクイックに”あご”が開閉
この「MetMo Grip」はボールネジと言って、よく工作機械や作業台の位置決め用に利用されている移動機構の1つなのですが、円柱に螺旋状の溝を掘り、その溝に沿ってスライダーと呼ばれる台が移動する事で、台の上に乗ったモノを移動させる、台に固定されたものの位置を移動させると言った様な時に使われます。
このボールネジの利点は円筒の回転だけでスライダーを移動させる事ができるので非常にシンプルに移動機構を作りやすいと言う点です。
そしてこの「MetMo Grip」では1本の円柱に2種類の幅の螺旋状の溝を掘る事で、スライダーの上下移動をボールネジの回転へと変え、更にその回転が”あご”を上下、開閉させると言う運動へと変換する様になっています。
そしてナットやボルトを挟む際には”あご”を開いた状態ナットやボルトを挟み込み、スライダーに当てた親指を引き下げるろ一瞬で”あご”が閉じてナットやボルトを挟み、そして回す事ができます。
しかもクリアランスの狭い場所では、一度”あご”を開いてモンキーレンチの角度を変えまた挟んで回し、また緩めて角度を変えてと言う往復運動を何度も行わないといけないのですが、この「MetMo Grip」ですとスライダーにかかっている親指を”あご”の方へ上げる事で”あご”が開いてナットやボルトを離しますので、往復移動しながらナットやボルトを回さないといけないとしても従来よりも何倍も早く作業を行う事ができます。
”あご”のオートロック機構
また一般的なモンキーレンチはウォームを回してナットやボルトを挟めば容易に緩んだりしませんので一度挟めばモンキーレンチから手を離してもナットやボルトとモンキーレンチは一体化しています。
一方この「MetMo Grip」はと言うと一見見た目にはスルスルと”あご”の部分が動くのですぐに”あご”の部分が開きそうなイメージがありますが、ボールネジの特性もあって少しでもスライダーとボールネジとの位置関係が歪むとボールネジは回りません。
それによってこの「MetMo Grip」でもナットやボルトを挟んで回した時に”あご”の部分は開こうと言うモーメントが働きますが、”あご”の部分が少し斜めになる事で”あご”の部分はロックがかかって開かないです。
ですからナットやボルトを挟み続けるのに親指をずっと押し上げてテンションを加えていなくてもこの「MetMo Grip」は良いので、同じ作業を何十回、何百回しなくてはならないても握力がなくなる程は疲れません。
マルチツールとしての側面
またこの「MetMo Grip」はモンキーレンチの様にナットやボルトを回すだけではなく、回すと言う能力の他に先端がフラットになった”あご”の部分を使いハンマーとして釘打ちなどに流用できます。
しかも”あご”の部分はステンレス鋼ですので、釘を叩いた所で変形したり凹んだりと言う様な事はありません。
また”あご”の部分に掘られた溝には1/4サイズの標準的なドライバービットを挟み込む事ができ、この「MetMo Grip」をドライバーの柄の様にしてネジを回すと言った用途にも使えます。
また”あご”の部分をクランプの様に材料を挟んで固定すると言った用途にも使えますし、”あご”のお尻部分のかぎ爪の様になった部分は栓抜きやボックスオープナーとしても使える様になっていますので、もし興味を持たれた方は詳細は下記URLをご覧ください。
https://www.kickstarter.com/projects/metmo/metmo-grip-the-worlds-most-satisfying-grip
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