3Dプリンターの多くは3D造形した後の後処理と呼ばれる作業が少なからずあります。
例えば非常に普及しているFDM方式と呼ばれるフィラメントと呼ばれる樹脂を溶かしながら造形するタイプでは、積み上げた樹脂が地層の様に層となり、その層が表面の凹凸として残っていますので、これを滑らかにすると言う作業があり、ヤスリで削ったりアセトンを使って表面の樹脂を溶かして表面を滑らかに処理します。
一方SLA(光造形)方式はレジンと言う紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して液体のレジンを固めながら造形して行くのですが、半硬化したドロドロ・ベトベトとしたレジンが造形物の表面に残っていますので、これを除去する作業が必要となるだけでなく、除去した後に再び紫外線を当てて造形物の表面のレジンをしっかりと最硬化させて定着させる作業も必要となります。
そこで今回は、SLA造形した造形物をフルオートで後処理してくれる装置「EIBOS Oceanus」をご紹介致します。
自動洗浄機はクオリティーも維持
SLA方式で造形した3D造形物の表面には半硬化したレジンが残っている為に、イソプロピルアルコールを使い溶かして除去しなければなりません。
ただ最近はイソプロピールアルコールではなく水で洗い流す事ができるレジンも登場しており、後処理のコストパフォーマンスは非常に良くなっているのですが、問題は処理する際に造形物を手に持ち、水やアルコールで表面に残ったレジンを洗い流す際に、いくらサポート材の部分を指で摘まんで持っていても、造形物に接触したりする事はあるので、そこでまた硬化していないレジンに触って表面に傷がつく、凹んでしまうと言った事が多々起こたりハケの後が残ったりと言う事がよくあります。
ですがこの「EIBOS Oceanus」では4L以上の水が入る容器を用意すれば、その容器の水を装置内に給水し、そして底部にある洗濯機のパルセーターの様な羽根が回り装置内の水を大きく攪拌して一気に表面に残ったレジンを洗い落とします。
またこの「EIBOS Oceanus」で自動洗浄できるSLA造形物の最大サイズは175×125×160mmになるのですが、これだけ大きな造形物を洗浄してもたった12分しか必要としませんので手で洗うよりもずっと効率的ですし、排水以外のゴミが出ないのもメリットの1つです。
乾燥から硬化まで全自動
また水によって造形物の表面に残ったレジンを洗い流した後は、装置内の水を給水に使った容器に排出して戻し、容器内の水を無くします。
そしてそれと同時に蓋に内蔵された強力なファンによって乾燥させ、そして装置の壁に取り付けられた紫外線LEDによって紫外線を360°全方向から照射する事で表面の完全には固まっていなかったレジンを固める所までやってくれますので、スタートボタンを押してしまえば後は出来上がるのを待つだけなので、今までの手間がまるで嘘の様にかかりませんし、後処理での失敗がほぼ無くなる上に、クオリティーも手作業で後処理を行うよりも上がるなどメリットが大きい製品ですので、もし興味を持たれて方は詳細は下記URLをご覧ください。
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