FDM(Fused Deposition Modeling:熱溶解積層)方式の3Dプリンターにおいてのプリント精度とプリントスピードを同時に追い求める事はできません。
何故ならプリントスピードを上げると造形ムラが出来ますし、精度を上げようと思うとスピードを落とさざるをえません。
その原因となるのが振動で、多くのFDM式の3Dプリンターがヘッドが前後左右、そして上下しながらフィラメントと呼ばれる溶かした樹脂を射出しながら積み上げて行く事で造形を行うのですが、このヘッドの移動中の加減速や方向転換時に発生する慣性力によって3Dプリンターそのものが揺れ、スピードを上げれば上げるほどその慣性力は大きくなり、それが造形精度に悪影響を与えるためです。
ですから従来のFDM方式の3Dプリンターではスピードと精度の改善が長年、改善されて来なかったのですが、今回紹介する「Proforge 4」はそれを見事に新しい方式で解決しています。
ベースをトップダウンにする事でスピード改善
今回紹介するFDM方式の3Dプリンター「Proforge 4」は振動が造形精度を低下させる問題について本来ならヘッドが3次元で動きながら造形する所をヘッドはXY軸、つまり前後左右にしか動かない様にしベッドを下げる事で振動問題を解決しています。
ですがヘッドが上部にあるとヘッドに移動に伴う慣性力によってその揺れはフレームを揺らすのでは?と思われるかもしれませんが、実際のところヘッドを上下させる場合、スライドレールにしてもボールネジを使うにしても移動をスムーズにさせる為に多少なりとも隙間があり、その隙間が慣性力によるバックラッシュ等を大きくしフレームを揺らします。
一方でヘッドを2次元のXY軸方向への移動だけに制限する事で
ヘッドの慣性力によってフレームが揺れない様に強度を持たせれば良い話で実際のところこの「Proforge 4」は最大800mm/sのスピードでヘッドを移動させながら造形精度は±0.1mmと高精度で、最大400mm×300mm×340mmもの大きさのものを造形する事が出来ます。
素材やカラーが混ざらないヘッド交換式
次にこの3Dプリンター「Proforge 4」には自動交換可能なヘッドが4つ備わっており、異なる性質を持つフィラメントを組み合わせたり、異なる色のフィラメントを使い多素材造形、多色造形を行う事が可能です。
従来ですとこの「Proforge 4」の様にフィラメントを交換しつつ造形を行う3Dプリンターの場合、ヘッド部分で射出するフィラメントを入替ながら射出していましたので、どうしても切り替えた際にフィラメントが混じりそこで造形物が割れたり、歪んだり、色が混ざったりする事で造形ムラを引き起こしていました。
ですがこの「Proforge 4」ではフィラメントが差し込まれたヘッドごと交換する事でフィラメントが混ざり合う事を防止した他、色変わる部分のエッジも鮮やかに仕上げる事ができる様になっていますので、もし興味を持たれた方は詳細は下記URLをご覧ください。
https://www.kickstarter.com/projects/proforge-3d-printer/proforge-4
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