マルチカラーで造形する場合、単色でそれぞれカラーや性質の違うフィラメントを使い造形した後に、出来上がったパーツを組み合わせると言う方法と、最初から複数のフィラメントを同時に使って3D造形すると言った方法があります。
前者の場合は3Dプリンターへの初期投資が少なく済みますが、3Dプリンターの造形精度に大きく左右さますが、出来上がったパーツをはめ込んで組み上げた際に段差が出来たり、ガタが出たりと言った事があるだけでなく最も深刻なのは強度が弱い事です。
一方で複数のフィラメントを切替ながら造形を行うマルチカラーの3Dプリンターは価格もそれなりにはしますが、造形したものは一体感がありますし、カラーや種類に異なるフィラメントもしっかりと溶着していますので強度的には申し分ありません。
ただマルチカラー3Dプリンターの場合、フィラメントを切り替える際に2種類のフィラメントが混ざったりと言う事が起こったりするものもあり、見た目の仕上がりがとても気になると言う方には、普通のFDM方式の3Dプリンターを簡単にマルチカラー化できるアップグレードキット「Co Print ChromaSet」がオススメです。
フィラメントの境目の射出がとっても綺麗なマルチカラーヘッド
今回紹介する単色造形の3Dプリンターをマルチカラー化するためのアップグレードキット「Co Print ChromaSet」には、コントローラーと射出ヘッド、モーターコントローラー、フィラメントフィーダーが含まれており、Klipperベースの3Dプリンターをお持ちの方であれば、ヘッドを換装するだけでマルチカラー化する事ができます。
そしてこのヘッドでは最大4種類のフィラメントを切替えてマルチカラー造形を行う事が出来るのですが、ヘッド内部にカッターを内蔵しており、フィラメントを切り替える際にカッターでフィラメンとカットし、カットしたフィラメントをヘッドから抜いた後で、交換するフィラメントをヘッドに差し込む様になっています。
これによってフィラメントとフィラメントの境目は非常にクリアで、ヘッド内で溶けた状態のフィラメントを引き上げ、新しいフィラメンをヘッドに押し込むタイプのマルチカラーヘッドの様に2種類のフィラメントが混ざってしまったり、マーブル柄で射出されてしまったりと言う事がなくフィラメントの境目がシャープに出力されますので、このヘッドに交換するだけでも価値がありますし、ABSやPLA,TPUと言った違った性質を持つフィラメントを使った造形もこの「Co Print ChromaSet」なら可能です。
複数の3DプリンターをコントールできるChromaSet
次に3Dプリンターをマルチフィラメント化するこのアップグレードキット「Co Print ChromaSet」には”ChromaSet”には、”ChromaScreen”と言うタブレット型のコントローラーが付属したものと、Klipperベースの3Dプリンターをマルチフィラメント化する為の”KCM Set”の2つのタイプがラインナップされています。
そして”ChromaScreen”はタブレット上で3Dプリンターの細かな造形設定が出来るだけでなく、メモリーから読み込んだデータをレンタリングして確認する事も出来る様になっていますので、間違って違ったデータを造形すると言った事もありません。
そしてまた、”ChromaScreen”では最大8台までの3Dプリンターを同時に制御し3Dプリントさせる事ができるだけでなく、それぞれ違ったデータをプリントする事もできますので、大量に同じものを造形したり、違ったパーツを一気にプリントし時間短縮を行ったりと言う事が複数の3Dプリンターがあれば、この”ChromaScreen”で可能ですし、何よりスマホやPCを使わずにプリント出来ると言うのは非常に魅力的な所でもあります。
最大8種類のフィラメントが扱えるECM
そしてこのアップグレードキット「Co Print ChromaSet」では、基本的には同時に扱えるフィラメントは4種類です。ただECM (Extended Chroma Module)でアップグレードする事で同時に扱えるフィラメントは倍の8種類に増えるだけでなく、ヘッドは”ChromaHotend”をそのまま利用しアップグレードしますので、フィラメントとフィラメントの境目がシャープなのは変わりませんので、もし興味を持たれた方は詳細は下記URLをご覧ください。
https://www.kickstarter.com/projects/coprint3d/chromapad-worlds-first-multi-filament-3d-printing-pad
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