ニキシー管と言うのはその昔、数字や文字や記号を表示する為の表示装置として開発されたもので、ガラス管の中にはアルゴンガスやネオンガスが封入されており、フィラメントに電気を流す事でフィラメントが電球の様に光ります。
ただニキシー管は蛍光灯や電球と同じで放電させる為に170〜200Vと言う高い電圧をかけなければならず、コンパクトな高圧回路等がなかった事から腕時計の様なものにニキシー管を使うと言う様な発想がなかったのですが、5Vから200Vの電圧を作り出す様なパッケージ化されたIC等が登場した事で、時刻表示にコンパクトなニキシー管(IN16)を使った腕時計がいくつか製品化されています。
ただ既にニキシー管は製造を中止しており、在庫を持っている会社がったとしてもウクライナやロシアの会社なので今後ますます入手が困難になる事が予想されますので、これが入手機会の最後にもなりかねないので、Kickstarterで現在募集中のニキシー管腕時計「Nyx」ご紹介しておきます。
手首を持ち上げる動作でニキシー管を点灯
ニキシー管と言う非常に高い電力が必要な表示装置は昇圧回路で電圧を上げますので、ニキシー管そのものの消費電流は2〜3mAなのですが、昇圧回路での電力損失が大きくそれがバッテリーを非常にたくさん消費します。
それによってニキシー管腕時計は、動作時間を長くしようとすれば腕時計を大きくしてバッテリー容量を増やすか、頻繁に充電するしかないのですが、この「Nyx」ではモーションセンサーで腕時計で時刻を確認すると言う動作(手首を上げて顔の前まで持って来る)をトリガーとしてニキシー管を点灯させるか、サイドボタンを押す事で点灯させる様になっていますので、常時点灯に比べて非常に消費電力が少なく、朝、出かける前に腕にはめて、帰宅時には外すと言う一般的な使い方で何と3日は充電せずにバッテリーを持たす事ができます。
また表示は2本並んだニキシー管を使い2ケタで時→分の順番で1.25秒周期で表示を切り替える他、分表示の場合が青LEDが点灯する様になっており、今表示している数字が時間なのか分なのかがよく分かる様になっています。
また電力消費に関しては、環境光センサーによって周囲の明るさに比例する形を明るさを変える事で見易いだけでなくより省電力化が図られているほか、サイドボタンの操作によっても点灯した際のニキシー管の明るさを変える事ができる様になっています。
Qiワイヤレスチャージ
またこのニキシー管腕時計「Nyx」の充電にはQiワイヤレス充電が採用されており充電台に置くだけで充電できるのですが、メリットはワイヤレス充電にする事で充電口を無くす事ができる事です。
この腕時計「Nyx」は防水ではないもののやはり手を洗ったりした際に水しぶきが飛ぶと言うのはよくありますし、そう言う時に充電口のキャップが開いていてそこから水が入れば故障するだけでなく高い電圧を発生させるニキシー管ですから、漏電によって腕時計がショートするかもしれません。
となると開口部を設けずにワイヤレス充電を採用したこの「Nyx」は正解と言えますし、何より充電ケーブルを抜き差ししていればコネクタ部分も消耗して来て充電できなくなりますが、そう言った物理的な摩耗の様なものがワイヤレス充電にはないので、故障の確率、充電できなくなるまでのタームを長くする事ができます。
ストップウォッチモード
またこのニキシー管腕時計「Nyx」にはストップウォッチ機能が搭載されており、ニキシー管腕時計としては初なのではないでしょうか?
ただ2ケタ数字ですので99秒を超えるとゼロに戻って100秒以上だと後から何回、ゼロリセットされたかと言う回数を足してやらかねればいけませんが、カップ麺が出来上がるまでの時間を計測すると言った用途にも使えますので、もし興味を持たれて詳細をご覧なりたい方は詳細は下記URLをご覧ください。
https://www.kickstarter.com/projects/457256266/nyx-your-ultimate-in16-nixie-tube-watch
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