3Dプリンタを使い始めると、え?こんな小さなものを造形するのにこんなに時間がかかるの?と造形時間の長さに驚かされる事はよくあります。
ただ最近はそれでも3Dデータを3Dプリンタに造形命令を出すためのファイルに変換するスライサーソフトも良くなって来ており、同じものを作るのであっても最新のスライサーソフトを使うとより短い時間で3Dプリントが出来る様になっていますし、3Dプリンターの中にはダブルヘッドで造形を行うものもあり、2つのノズルからフィラメントを射出して造形を行えば時間は半分とまではいかないものの短縮する事は可能ですが、現状のところそれ以上の打開策はありません。
ですが今回紹介するFDM方式の3Dプリンター「Geeetech THUNDER 3D printer」は、え?そんな方法でと言うやり方で300mm/sと言う超ハイペースで造形が可能な3Dプリンターです。
5つのクーリングファンで急速冷却
今回紹介するFDM方式の3Dプリンター「Geeetech THUNDER 3D printer」にはプリントの高速化を行う為の装置や機構がいくつも搭載されているのですが、見た目でよく分かるのはのは大量の送風用ファンで合計5台も搭載されています。
このファンの役目は射出したフィラメントを冷却する事なのですが、あまり急いで急冷してしまうとフィラメンが収縮して次にフラメントをのせた時にフィラメント同士が接着しなかったり、フィラメントの収縮によって位置がズレたりと言ったことがあるのですが、この「Geeetech THUNDER 3D printer」ではそう言った所も計算した上で通常は多くても2台の冷却ファンを5台に増やして急冷する事で、造形スピードのアップを計り、最大300mm/sと1秒間に30cmものフィラメントを射出すると言う異次元の性能持っているのですが、さすがにスピードは早くなる分だけ造形精度は確実に落ちますので、あくまでの造形データの確認の為の試作と言った用途にハイスピード造形は利用し、普段はノーマルスピードで造形する事で、クオリティの高い造形が出来ます。
Y 軸ダンピング メカニズム
次に高速化において問題になるのがヘッドやベッドの移動です。
FDM方式の3Dプリンターでは、溶かしたフィラメントをヘッドの先に取り付けたノズルから射出する事でフィラメントを積み上げ造形して行きますので、そのノズルが滑らかに動かなければ、自転車に乗っていて急ブレーキをかけた時に前方に投げ出される様な遠心力を感じるのと同じ様にノズルの動く方向を変える時にノズルやフィラメントに遠心力がかかってしまいフィラメントを正しい場所に射出する事ができず失敗に繋がります。
そこでこの「Geeetech THUNDER 3D printer」ではヘッドはX軸方向だけの移動に限定する事でヘッドの加減速に伴って生じる振動を抑えるだけでなく、加減速時に遠心力を極力低減する様なモーターコントロールも行っています。
またY軸はベッドを動かす事で位置制御を行っているのですが、こちらもバックラッシュを防ぐ為に、本来ならベッドとモーターを直結する所をギアを1枚噛ませ反転制御する事でこちらもベッドが動いた時の遠心力を極力抑える仕組みが組み込まれていますし、X軸Y軸共に緩んだベルトを工具を使わずダイヤルを回すだけで簡単に締める事ができるクイックアジャストメント機構も便利です。
造形スペック
では一体、最大でどれくらいの造形物が作れるのかと言えば、最大では250mm×250mm×260mmと、かなりボリューミーで、110°まで加熱可能はホットボッドによって造形に使えるフィラメントはPLA、ABS、TPU、PETGの4種類です。
また、インタフェースはUSBで、WindowsないしMacでの造形が可能な他、MicroSDカードへのデータをコピーしての単独造形も可能となっていますので、もしスピードに魅力を感じられて詳細をご覧になりたい方は下記URLをご覧ください。
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