みなさんは切れ味の悪くなった包丁を使っていて誤って手を切ってしまったりと言う様な経験はありませんか?
切れない包丁と言うのは刃の先端が摩耗で丸くなっており、極端に言えば棒で食材を切っている様なもので、この状況を想像してもらえば食材になかなか刃が入って行かないのも理解出来るかと思います。
そして刃が入らないからと力を入れるのですが、食材は切れ始めた後は同じ力で包丁を当てて押し込んで行く事で細胞や分子や原子の結合が分離されて切れて行きますが、その加減が分からずに刃の直下に指などがあると切ってしまいます。
そこで今回は力を入れなくてもスッっと切る事ができる包丁「The Sonic Slicer」をご紹介致します。
原理は超音波包丁と同じ
さて、みなさんは超音波包丁ってご存じでしょうか?
超音波包丁は超音波カッターと同じで、人間の耳では聞き取る事ができないとて高周波を使って刃を振動させる事でカットしたい素材を刃で高速で叩いて切ると言った感じのカッターであるため、切る本人はあまり力を入れずに、ただ包丁が食材に刃が入って行くのをガイドするだけですので、力を入れ過ぎていきなり刃が食材に食い込んで行き指を怪我すると言った様な事はありません。
ただ超音波包丁は超音波を発生した際に熱も一緒に発生させますので、長時間使用していると包丁の刃が暖かくなって来ますので生の食材をカットする、特に刺身を切ると言った用途には向いていないと言えますし、フルーツなども皮を剥く際にやはり熱が加わる事で食感が変わって来ます。
一方で今回紹介する「The Sonic Slicer」は見てもらうと分かる通り、包丁の腹の部分がWの文字の様に抜かれており、この抜かれた部分が音叉となっているのです。
音叉と言うのは楽器を調律する際に使用するチューナーの様なもので、音叉を叩く事である一定の周波数の音を出し、その音に合わせて楽器の音を調整して行くのですが、音叉は音を出している際には振動しており、この「The Sonic Slicer」は音叉の振動によって超音波包丁と同じ様な効果を出しているのです。
ただこの包丁から実際に音が出る訳ではなく、包丁を手に持ち動かすと言う動作において音叉は共鳴し振動すると言うのがこの「The Sonic Slicer」の大きなポイントで、ただ切っているだけで音叉は振動し、その振動と言うのはノコギリを前後に動かしている様なものですので食材は包丁に少し力を加えるだけで切れて行きますし、超音波包丁の様に熱が発生する事もありませんので、食材が熱で傷むと言った様な事もありません。
身離れが良くカットしやすい
次に音叉の振動でカットするこの包丁「The Sonic Slicer」は振動によって身離れが良く、カットして行きやすいと言う特徴も持っています。
よく切れる包丁はカットした断面が真っ平らであるため、包丁と食材との間に空気が入り込む余地がなく真空状態になってしまい、水分を多く含んだ食材だと尚更真空度が上がり、カットした食材が刃に貼り付いてカットし辛いと言った事が出て来るのですが、この「The Sonic Slicer」は音叉の振動もありますし、腹の部分が切り抜かれている事もあり、身離れも良くカットし易くなっています。
扱い易く研ぎやすいステンレス刃
そしてこう言った特殊な性質を持つ包丁と言うのは一概にして研いだりと言う事が出来ないのですが、この「The Sonic Slicer」に至っては腹の部分がくり抜かれているだけで、普通の錆びないステンレス製の刃が使われているだけでなく、研いだりする事も一般の包丁と同じ様に出来る様になっており、切れ味を良いままに保つ事が出来る様になっていますので、もし興味を持たれた方は詳細は下記URLをご覧ください。
https://www.kickstarter.com/projects/soundandpepper/sonicslicer
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