マイコンを使ってハードやプログラムを開発する際に一番苦労するのがデバッグです。回路はシュミレーターを使いながら設計すれば問題のないものが作れますが、これが他の機器と接続した時にどう言う挙動を起こすのか?これが未知数です。例えばある機械を制御する回路基板を設計して完璧なプログラムを書いて接続したとしても、バグはあるのもである特定の条件下で必ず再現されるバグならばまだデバッグも簡単なのですが、ランダムに起こるバグと言うのはI/Oにどう言う信号が流れているのか実際に調べて見ないと全くわかりません。
これがまだ固定されている機器であればロジックアナライザーを接続してI/Oのログを取って見れば何となく原因が見えて来るのですが、ロジアナも高価な上にさすがに動くものや、ドローンの様に飛ぶものはさすがに載せる事ができません。
ですがこの「OpenScope」なら縦横72mmと言う小さな基板ですのでドローンに乗せ飛ばしながらI/Oのデータログを取ると言うのも夢ではないのです。
ではまず「OpenScope」にはどう言う機能が搭載されているのかと言いますと
1.分解能:12bit帯域幅:2MHz サンプリングレート:6.25msのオシロスコープ × 2
2.帯域幅:1MHz リフレッシュレート:10msのファンクションジェネレータ × 1
3.リフレッシュレート:25MHz デジタルI/O × 10
4. +/-4V/ 50mAの電源出力 × 1
と言うI/Oが備わっており、この他にも内部的にはオペアンプやDAC等も搭載されており、またWiFiモジュールを搭載しmicroUSBでPCとダイレクトに接続できる他にもWiFi経由でも「OpenScope」をコントロールすることができます。
またメインCPUがPIC32 MZ ProcessorなのでMPLabXでプログラム開発できる他、ArduinoIDEの開発ライブラリも提供されてますので、PICは初心者と言う方でも安心です。
そしてこの「OpenScope」が素晴らしいのはJavaScriptのオープンソースソフトウェアのWaveForms Liveで動く様にデザインされている事で、とりあえずオシロスコープやファンクションジェネレーターの機能だけ使いたい方は「OpenScope」上では既にHTTPサーバーが走っていてJSONを通して各I/Oの操作や状態をブラウザで見ることができる様になっている事で、PC以外にもスマートフォンやタブレットでブラウザでWaveForms Liveにアクセスしておいてからアドホック・モードで「OpenScope」にダイレクトに接続してやるだけですぐに「OpenScope」が使える様になっている事です。
つまり高価なオシロスコープやロジックアナライザをこの「OpenScope」1つ買う事で手に入れる事ができ、更にファンクションジェネレータまで付属し、オンボードのmicroSDカードスロットを使えばスタンドアロンでのデータロガーとしても機能しますので、データを解析する意外にも気象データを観測する為のIoT機器としても使えますし、「OpenScope」にGPSや加速度センサーやジャイロセンサー、地磁気センサー、気圧センサーや赤外線、超音波センサー等を接続して自動飛行するドローンを作る事だって可能です。
ただやはりこの「OpenScope」の使い道は実際に設計したハードウェアやプログラムが期待通りに動いているのかどうかと言うのを実際に動かして見て、スマートフォンやタブレットを使ってWiFi経由で接続してリアルタイムにI/Oポートの挙動等を監視してデバッグやイリガルなトリガーが入っていないか監視できる所ではないでしょうか?
なお詳細については下記URLをご覧ください
https://www.kickstarter.com/projects/342199468/openscope-instrumentation-for-everyone
この記事へのコメントはありません。