よく画面の解像度を表す為に1080P、FullHD、2K、4K、8Kなんて文字を見た事があるかと思いますが、これは何も画面の大きさを表しているのではありません。
テレビですと8K対応のテレビなどは非常に大きなパネルを持った製品しかリリースされていないので時々画面の大きさと勘違いされるのですが、この数字は解像度と言うか画面の画素数を表しており、1080pですと1920×1080、2Kでは2048×1080、4Kでは4096×2160、8Kでは8192×4320と言う数の画素が縦横に並んでいます。
ですから例えば40インチのテレビがあったとして1080Pでは画素ピッチが”0.461mm”ですが、4Kですと”0.231mm”となり8Kでは”0.115mm”となりより細かくなって行きますので、同じサイズのモニターでも解像度が高ければ高いほど画素ピッチが小さく(短く)なり、より細かな表現が行えますので、映し出す絵も解像度が上がればより綺麗になって行くと言う訳です。
そしてそんな液晶画面を使って3Dオブジェクトを使うLCD-SLAは解像度の高い液晶モニターを使う事でより細かな造形が可能で、今回紹介するLCD-SLA 3Dプリンタ「Orange 4K Color」は4K解像度の液晶を使っています。
カラーとモノクロの2種類の液晶モニターを利用
さてこの「Orange 4K Color」では5.5インチサイズの4K解像度の液晶モニターを使い、造形物をスライス化したデータを液晶に表示させ、その液晶の裏から紫外線を照射する事で液晶モニターを透過した紫外線がレジン(紫外線硬化樹脂)を硬化させる事で造形して行くのですが、この「Orange 4K Color」にはカラー液晶とモノクロ液晶の2つのタイプが用意されています。
何故2つのタイプが用意されているのかと言いますとカラー液晶はRGB(赤・緑・青)の3つの素子で1つの画素を構成していますので、この「Orange 4K Color」で使用している5.5インチのカラー液晶ですと画素ピッチは31.5μmとなり、これ以上細かな線を描いたとしても潰されてしまいます。
一方モノクロ液晶の方は縦(Y軸)は31.5μmなのでsが、横(X軸)は10.5μmとなり、1/3のサイズとなるのでX軸方向は同じ線でも10.5μm以上であれば造形する事ができますので、より細かな造形ができると言う事になります。
造形スピード60mm/1時間
そしてこの「Orange 4K Color」のZ軸解像度は10μmなのでZ軸方向に1mm造形するのに100層分のスライス画像を表示させてレジンを硬化させていかなくてはならないので高さ(Z軸)60mm造形するのに約1時間かかってしまうののですが、昔、紫外線レーザーを使っていた頃は夜セットして朝に造形できたか確認すると言うのがSLAプリンタ造形では当たり前でしたので、それを思うとかなり高速です。
なおこの「Orange 4K Color」の造形サイズは最大118×66×190mmですので、高さを最大190mmにしてデザインすると1つの作品を造形するには3時間は必要と言う事になります。
インタフェースはUSBのみ
そしてこの「Orange 4K Color」の魅力的な所として価格が上げられます。
今回、KickstarterでのPledge額はカラーLEDで$300以下、モノクロLCDで$400以下なので、4K解像度と言う事を考えるとかなり安価です。
ただその為にインタフェース部分は削られており、USBメモリにstlファイルをコピーしてからの造形となりますので、初心者の方にはちょっとハードルが高いかもしれません。
またスライサーもLongerWare、Chitubox、Lycheeと言ったカラーとモノクロの印刷パラメータの設定ができるアプリのみ使用できるなど、このあたりもちょっとハードルを上げているかもしれませんが、カラーもモノクロも別途LCDをオプションとして購入できるなど、保守性も高いのでもし興味を持たれた方は下記URLをご覧ください。
https://www.kickstarter.com/projects/longer3d/longer-orange-4k-the-ultrafine-lcd-3d-printer
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