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SLAプリンターのイノベーション!!LCDではなくDLPを光源とするDLP-SLAプリンター「Anycubic Photon Ultra」

3Dプリンターもスッカリと身近な存在となり、ホビー的に家庭で使える3Dプリンターも増えて来ました。それは大量生産によって価格が安くなった事もありますが、技術革新によるところも大きく影響しています。
特に今回紹介するレジンと言う紫外線を照射する事で硬化する液体樹脂を使ったSLA-3Dプリンターは、このSLA方式が開発された頃はFDM方式のプリンターの様にレーザーの光を移動させて樹脂を硬化させ一筆書きの様な形で少しずつ造形して行っていました。
ですが、私たちが日頃、目にしている液晶モニターの裏面から紫外線を照射し、造形データのスライスデータ(MRIの様な画像)を表示させる事でモニターの液晶を通過した紫外線によってレジンを線ではなく面で効率良く硬化させて行く手法が編み出されて短時間で造形できるだけでなく価格も安くなり一気にホビー的に使えるレベルにまで安くなりました。

ただ安価で早く造形できる様になったLCD-SLAですが欠点があった訳ではなく、光源にDLPを用いる事で見事欠点をクリアしたDLP-SLAプリンタ「Anycubic Photon Ultra」を今回はご紹介致します。


造形精度を落とす光の漏れ


ではLCD-SLAプリンターの何が問題で、何が欠点だったかと言いますと、光の漏れです。
例えば液晶テレビに真っ暗な映像が映し出された時でも液晶テレビは完全に真っ暗ではなくほんのり光っている事が分かる事ってないでしょうか?
それは液晶テレビは光を通す液晶シャッターの裏側にはバックライトがあり、液晶シャッターをON/OFFする事でバックライトの光を透過させる事で映像として表示します。
ただ液晶シャッターと言うのは100%バックライトをシャットアウトできる訳ではなく、若干通してしまう事から真っ暗な画面がうっすらと白っぽく光っている様に見えます。

そしてLCD-SLAプリンターでも液晶テレビと同じ液晶モニターを使っている為に、紫外線を通したくない所も少なからず透過してしまいレジンを効果させてしまうのです。
これが表面が真っ平らな造形物なら気にもならないのですが、細かな細工の施されたフィギュア等でしたらどうしてもエッジ部分のボケた線が気になるのです。


DLP-SLAとは?


では今回紹介するDLP-SLAはどうなのかと言いますと、まずDLPと言うのは”Digital Light Processing”の略称で、最近少しずつ増えて来つつあるレーザープロジェクターに使われている光源と同じものがこのDLP-SLAには使われています。
DLPレーザープロジェクターは、DLPチップと呼ばれる映像を表示する為のモニターの様なものにレーザー光源を当て、DLPチップによって反射されたレーザーがレンズによって拡大されてスクリーンに照射される事で映像を表現します。

そしてこの「Anycubic Photon Ultra」では光源に紫外線レーザーを使いDLPプロジェクターと同じ様にDLPチップで反射させた映像をレンズで拡大し、ミラーで反射させてレジンに照射し硬化させるのですが、LCD-SLAと大きく違うのはDLPチップによってレーザーを反射させなければレンズからは一切、光は漏れて出て来ないと言う事です。
つまり、DLP-SLAはLCDの様には光が漏れたりする事がないので不必要にレジンを硬化させる事がないので、LCD-SLAの様なエッジ部分のボケがなくなり、造形精度が上がると言う訳です。

ただLCD-SLAよりはDLPプロジェクターと同じ様に価格は上になりますので、精度を取るか価格を取るかと言う所にはなりますが、フィギュアの造形精度を求める方にはDLPがオススメです。


造形スペック


そして気になる造形スペックですが、造形ボリュームは102.4mm×57.6mm×165mmですので、概ね4.5〜4.7インチ液晶サイズ×高さ16cmと言った造形ボリュームとなります。
最近では7インチや8インチのLCDを使ったLCD-SLAプリンターが価格的にもリーズナブルで種類も豊富なので、それらシリーズと比較すると造成サイズが小さくなってしまうのは否めません。

そして解像度はXY解像度は80μmで、Z軸解像度は10μmとなり、XY解像度はプロジェクター用のDLPチップを使っているのでLCD-SLAと大差ありません。
そしてレイヤーあたりの造形スピードは1.5秒で1時間あたり60mmの造形が出来るのはLCDとこれも大差ありませんがやはり仕上がりがDLPの方がエッジがしっかりと出ており見栄え的にも良いのは間違いありません。
ただレジンはLCD-SLA用は使えずDLP-SLA専用のものを使用する必要があり、そのあたりも注意しなければならない所なので詳細は下記URLをご覧ください。

https://www.kickstarter.com/projects/anycubic-official/photon-ultra

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