今では安いものだと2〜3万円で手に入るレーザー彫刻機ですが、1つ気を付けないといけないのはレーザーモジュールのパワーによって、彫刻できる素材がとても限定される所です。
たいてい安いものはレーザー出力1W以下、多くは500mWや250mWと言う低出力のレーザーモジュールを使用していたりしますので、基本的には柔らかい素材、木材や紙、フェルト、コルクと言ったあたりのものしかレーザー彫刻する事はできません。
そして1Wくらいになると透明ではないアクリル板や、樹脂に彫刻できる様になるのですが、金属やガラスを彫刻できる様なレーザー彫刻機になるとレーザーモジュールの出力が5W程度ないと彫刻する事は不可能です。
何故ならレーザー彫刻は、レーザーの光によって溶かしている、温度を上げて焼いている様なもので、虫眼鏡で太陽の光を集めて黒い紙を焦がしているのと同じです。
ただレーザーモジュールの出力を上げるとモジュールそのものが大型化し、持ち運ぶなんて事は到底無理なのですが、今回紹介するレーザー彫刻機「Mr Carve M1」は重さ6kgなのにも関わらず15kWの出力で金属を深く掘り下げる事ができます。
EOM(電気光学変調器)で出力アップ
今回紹介するレーザー彫刻機「Mr Carve M1」には、1064nmの赤外線レーザーモジュールが使用され、その最大出力は2Wです。
2Wと言う事は片手で持ち運びできる大きさにコンパクトに装置そのものを仕上げる事はできますが、アクリルに彫刻できれば良い所で、とても金属に彫刻するレベルではありません。
そこでこの「Mr Carve M1」ではEOM(電気光学変調器)と言う装置を使う事で2Wの連続レーザー光を25kHzの最大出力15kWのパルスレーザーに出力をアップし、金属への彫刻も可能にしています。
彫刻スピード10,000 mm/s
またこのレーザー彫刻機「Mr Carve M1」ですが、EOMで出力を上げて加工材料の幅を広げているだけではありません。
レーザー出力が上がると言う事は瞬時に材料をレーザー加工する事ができると言う事になりますので、加工スピードも最大10,000mm/sと、何と1秒間に10mもレーザーを移動させる事ができるのです。
ですから付属のステイを使い材料を置くポイントを決める事で同一のレーザー彫刻を連続して行えるだけでなく、同じ彫刻なら「Mr Carve M1」のスイッチを押すだけでリピート彫刻されますので、製品の増産、大量生産と言った用途にも向いていますが、加熱を防ぐ為に連続使用時感は5時間となっています。
彫刻スペック
では実際のどれくらいのスペースの彫刻が行えるかと言いますと、縦横75mmの範囲となり、彫刻範囲としてはそれほど広くありません。
ただEOMで加工された赤外線パルスレーザーの線幅は0.001〜0.05mmと非常に細い線まで忠実に彫刻する事ができるため、人物画像の髪の毛1本1本まで忠実に再現できますし、レーザー加工する前にプレビュー表示も出来る様になっている他、凹凸のあるものに対してもオートフォーカスでピントを合わせる様になっており、凸凹した面にでもレーザー彫刻する事ができる様になっていますので、もし興味を持たれた方は詳細は下記URLをご覧ください。
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