離れた場所にあるPCを操作する為の技術、アプリとしてリモートデスクトップと言う機能がWindowsには標準で備わっていますし、MacにはApple Remote Desktopと言う機能があり、ブラウザのChromeにも同様の機能があります。
但しこれら機能はPCが起動している状態でしか動作していませんので、何らかの原因でPCがシャットダウンすればリモートで起動する術はありませんし、リモートと操作中に動きがおかしいからと再起動をかける事も出来ないと言うデメリットがあります。
そこで最近、注目されているのが”KVM over IP”です。これもVNCの一つですが、決定的に違うのは”KVM over IP”のサーバーはアプリではなくマシンであり、PCを起動もリブートも行えると言う点で、更に便利なのはリモート操作しているPCから、操作に使っているPCにファイルのコピーと言った事まで出来る事です。
ただ”KVM over IP”マシンは非常に高価で個人が便利そうだから試してみようかな、と言うレベルで使えるものではありませんが、今回紹介する「PiKVM v3 HAT」ならRaspberryPiを使っているので非常に安価に”KVM over IP”を実現する事ができます。
KVM over IPとは
”KVM over IP”とは離れた場所にあるPCを操作する為のネットインタフェースの様なもので、”KVM over IP”とPCとはUSBケーブルやHDMIケーブルで接続する事で”KVM over IP”がキーボードやマウスの役目を果たすだけでなく、PCから出力された映像を”KVM over IP”がストリーミングします。
ですからPCの負荷が上がると言う事はない上にサーバーとレシーバーを対で使うのが基本で通信も暗号化されているので安全です。
また”KVM over IP”をマザーボードと直接接続する事でPCの起動はもちろん、BIOSの変更、フリーズしてしまった時に強制的にリセットをかけたりと言った事が出来ると言うのが”KVM over IP”の1番のメリットで、起動したPCへのログインなども普通に出来ますので、まさにリモートワークには最適なデバイスです。
PiKVM v3 HATは?
一方今回紹介する「PiKVM v3 HAT」はと言うとRaspberryPiをCPUとして使っており1/10程度の価格で”KVM over IP”を利用できると言う事と、リモートアクセスにはブラウザを使うのでレシーバーが不要な上、プラグイン等のインストールも必要なくChrome以外にもSafariやFirefoxでも利用する事ができます。
よって「PiKVM v3 HAT」ではタブレットからアクセスすると言った事も可能な訳です。
またATXコントロール出力がありますのでATXマザーボードのフロントパネル用コネクタピンに接続すればリセットや電源操作ももちろん可能です。
また画面のストリーミングは回線が細ければmjpegを、太ければH264を選択すれば、画像の編集と言った作業をリモートでも快適に行えます。
更にRasPiをCPUとして使っていますのでそのGPIOはそのまま利用可能で、GPIOコントロール用のソースもGitHubで全て公開されていますので、これらGPIOを使ってモニター用のLEDを取り付けるとかI2Cを利用して液晶モニターを装備すると言った拡張も思いのままに行えたりもしますので、”KVM over IP”に興味はあっても高いからな諦めておられた方で興味を持たれた方は下記URLにて詳細はご覧ください。
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