HDD1台の価格から比較してもNAS(Network Access Server)サーバーは非常に高額です。
ですからキットを購入して自分でHDDを乗せてNASサーバーを作る方が圧倒的にコストパフォーマンスは優れていますが、そう言ったNASサーバーキットよりももっと安価にNASサーバーを構築したい時にベストマッチするのがRaspberryPiです。
NASサーバーのOSは基本的にはLinuxですし、RaspberryPiもLinuxベースのOSで動かせますし、NASサーバー化する為の”openmediavault”の様なオープンソースのサーバーアプリケーションはいくつかありますし、どれもサーバーの構築と言うキーワードで検索すれば丁寧にセットアップの仕方が説明されたサイトに簡単に行き着く事ができます。
ただ問題は、本格的に長期的に使うサーバーにする場合にはRaspberryPiではなく、ちゃんとしたNASキットを購入する方がしっかりと放熱設計されたケースが付属していますので、耐久性の面からも考えても専用設計のものを使うべきなのですが、今回紹介する「Argon EON」はRaspberryPiをCPUに利用したNASキットなので安心です。
RaspberryPiを使うメリット
NASサーバーにRaspberryPiを利用するメリットは2つあります。
1つは専用設計されたマザーボード、コントローラーボードを使用するNASサーバーとは違い、圧倒的に安価に構築できると言う点です。
これはキット化されたNASサーバーキットと比較しても明らかです。
そして2つ目として故障した時の交換部品が手に入りやすいと言う事です。
NASはHDDが壊れてと言うイメージが強いかもしれませんが、実のところHDDは何の故障もしておらずコントローラー、CPUボードが壊れて動かなくなると言う事もHDDの故障と同じくらい多いのです。
ですがHDDはアクセスできなければどのレベルのRAIDを使っているかにもよりますが新しいHDDに乗せ替えれば復活させる事もできますがコントローラーの方ですとそうも行きませんし、発売から何年も経過したNASですとメーカーにもコントローラーボードがなかったり、修理費用と天秤にかけると新しいNASを購入する方が安かったりする事もありますが、新しいものにするとデータは帰って来ません(NAS化したHDDからファイルを救出する為のアプリを使えば全てではないにしても救出は可能です)。
ですがRasPiならすぐに手に入りますし、microSDカードを新しいRasPiに差し替えてすぐに元通りに動かす事ができます。
DIYよりキットのメリット
そして自分で外付けHDDやHDDケースにUSBケーブルでRaspberryPiに接続してNASサーバーを構築するよりも専用キットを利用した方が、ハードウェアの安全性と言う面で優れています。
例えばHDDはしっかりと放熱設計されたケースに入っており、少々暑い部屋であろうと凍える様に寒い部屋に置いておいたとしても動作は保証されていますが、RaspberryPiをそのまま利用したのでは例えば(メディアサーバーの様に)たくさんのファイルを長時間転送したり夏場に空調の効いていない部屋に設置すると動作補償温度を超えて動作がおかしくなったり止まったりするだけでなく、半導体そのものも熱に弱い為劣化が急速に進んで行って壊れやすくなります。
そう言う点で巨大なシートシンク(放熱版)とファン、そしてHDDコントローラーに搭載された温度センサーによってこの「Argon EON」は適切に冷却される様になっていますので、そう言う意味でも安心です。
GPIOへのアクセス
そしてこの「Argon EON」ではNASコントローラーとして利用するだけでなく、裏蓋を開ければすぐにRaspberryPiのGPIOインタフェースにアクセスする事ができますので、このGPIOとセンサー等を使って例えば部屋の温湿度監視を行ったり、モーションセンサーを取り付けて警報器の様な使い方をしたりと言った事ができますし、ArduinoやESP32と言った他のマイコンボードを使ってDIY好きな方は様々な使い方が出来る様になっているのも魅力的な所の1つですので、もし興味を持たれた方は詳細は下記URLをご覧ください。
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