SLA式の3Dプリンターはレジンと言う紫外線を当てると硬化する性質を持つ樹脂を使って3D造形を行う為、一定量のレジンが入った水槽に紫外線を当てて造形して行きますので、水槽内にある程度のレジンを入れておく必要があります。
ただそのレジンは1度造形を行った後にパーツやベースの破片が混入していないか、ホコリやゴミがレジンに混じっていないか確認し、そう言った不純物が混じっていればろ過してから再利用する必要がありますし、漏れた紫外線で底のレジンが固まっていればスクレイパーを使って除去し残留物がない様に綺麗に掃除しませんと造形の失敗に繋がります。
と言う様にFDM方式の3Dプリンターに比べて扱いがとても大変なのがSLAプリンターで掃除は必須です。
そんな掃除用具一式までついたヘルメットデザインがサイバーちっくなLCD-SLAプリンター「CyFantasy Light-Curing LCD 3D Printer」を今回はご紹介致します。
エコな自動補給機能
この「CyFantasy Light-Curing LCD 3D Printer」には1Lサイズの大容量のレジンBOXが用意されており、基本的にはレジンがなくなればこの専用のレジンBOXを交換する様になっています。
そしてこの「CyFantasy Light-Curing LCD 3D Printer」の1番の目玉はレジンの自動補給機能で、3Dプリントに行うのに最低限なレジンを水槽内に常に補給し造形ミスを防ぐ事ができる様になっている他、レジンの廃棄の無駄を省き結果的にレジンの無駄使いを防いでいると言う所がこの「CyFantasy Light-Curing LCD 3D Printer」の1番魅力的な所です。
と言いますのでSLAプリンターの場合、どうしても水槽に大量のレジンを入れるので、ろ過したとしてもろ過の過程で濾紙などに残ったレジンはどうしても捨てなくてはいけませんのでまだ再使用できるレジンを100%回収できているとは言えずかなり無駄なレジンを従来のSLAプリンターでは出していたのですが、供給量を造形に支障のないレベルに絞る事のできるこの「CyFantasy Light-Curing LCD 3D Printer」は言うなればエコシステムを搭載したLCD-SLABDELプリンターと言えます。
自動排水+タンク
次にこの「CyFantasy Light-Curing LCD 3D Printer」はSLAプリンターとしては初ではないかとも言える自動排水装置を持っています。
排水されたレジンは専用タンク内にたまるので、もしレジンを再利用するのであればタンクに排出されたレジンをろ過すれば良く、水槽を取り外して別な容器に移し替えてろ過する、ないし廃棄用のシートに吸わせて廃棄すると言った作業も従来よりはずっと楽に出来ますし、続けて性質の違ったレジンを使ってすぐに造形を始める事も出来ます。
4種類のレジン
そして専用レジンはスタンダードなものの他に耐熱レジン、弾性レジン、ナイロンレジンの4つの性質の違うレジンがラインアップされており、スタンダードなレジンはホワイト、透明、ブラック、ブルー、肌色、グレイの6色、弾性レジンは透明と黄色、ナイロンレジンは白、黒と2色あり合計で11種類ものレジンがラインアップされています。
また造形サイズは120×192×200mmで8.9インチの4K解像度のLCDを使い造形を行いますので、XY解像度は0.05μm、Z軸解像度(=積層ピッチ)は0.025〜0.1mmまで選択でき、造形スピードは10〜40mm/時間となっています。
そしてヘルメットのシェードをイメージする蓋は実際のところ飾りではなく造形中にレジンにホコリ等々の異物がレジンに混じるのを防ぐほか、造形中の異臭(造形中にレジンから発生する臭い)が外部に漏れるのを防ぐ役目も持っています。
またインタフェースはUSBメモリーのみでSTLないしOBJファイルをUSBメモリーにコピーしての造形となっていますのでもし興味を持たれた方は詳細は下記URLをご覧ください。
https://www.kickstarter.com/projects/cyfantasy/cyfantasy-light-curing-lcd-3d-printer
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