光造形3Dプリンターと言う3Dプリンターはご存知ですか?たいていみなさんが目にするのはFDM方式と言ってフィラメントと言う樹脂等でできた糸状の材料を溶かしながら立体造形して行くプリンターが安価なのでよく目にしますが、その他にもSLS(粉末焼結積層造形)と言う粉状の材料をレーザー照射する事で焼き固めて造形する方式やSLAと言う紫外線が当たると固まる性質を持った樹脂を使う方式があります。
このSLA方式は細かなものを忠実に再現したいときに使われる3Dプリンターなのですが、いかんせん造形にかかる時間が長いので、寝る前にセットして翌朝に起きたて出来上がってたらいいな、みたいな感じの造形方法なのです。
細かいもアクセサリーやフィギュア等を作るのには向いているのですが、いかんせん時間がかかり過ぎるのが難点なのです。それを独自の技術を使い、従来の100倍以上も時間を短縮してしまったのがこの「Gizmo」です。
まずは「Gizmo」で造形できるオブジェクトのサイズと詳細ですが、
XY解像度:20~200μm
積層ピッチ:1μm
造形可能サイズXY:200×113mm~400×225mm
造形可能サイズ高さ:130mm~800mm
となっています。通常、ホビーサイズだと大きくて150mm四方程度のものが多いのですが、この「Gizmo」はそれよりも大きく、オプションで拡張すれば最大400×225×800と言う、業務機レベル機並みなサイズのものまで作れる様になります。
さてこの「Gizmo」がどの様に高速プリントを実現しているのかと言うと、まず紫外線レーザーの照射点を移動させて紫外線硬化樹脂を固めてる方式ではなくDLP方式と言ってプロジェクターを使って紫外線を照射する事で点ではなく面で照射する事で単位時間あたりの造形スピードがまず上がります。
その上で「Gizmo」は独自のソフトウェアで先に造形データを解析して照射するパターン画像を作成しておき照射する事で更なる高速化を実現しています。
また速さだけではありません。通常FDMでもSLAでも積層毎に照射して積み重ねて行くのでどうしても層と層の境目のスジができてしまいます。このスジを取るペーパーがけ等の作業があるので結構これが大変なのですが、「Gizmo」では22度に加熱された硬化樹脂に積層パターンをパラパラ漫画の様に高速で照射しつつビルトプレートを降下させて行く事で照射して樹脂が完全に固まるまでに次の層を作るため層と層の境目ができ辛く、表面が滑らかになる様に工夫されています。
ではどれくらい早いのかと言うと、縦横が160mm×90mm程度で積層ピッチ50μmであれば1時間あたり3インチ(7.6cm)も積み上げて行く事ができるのです。ですから2時間もあれば150mm程度まで積層できるのですからSLA方式としては超高速ですよね。
でもさらにオプションのレンズキットに交換すれば積層ピッチ50μmで1時間あたり7インチ(17.8cm)も造形できてしまうのですから、今までのSLA 3Dプリンターでは考えられないくらいのスピードですよね。
FDM方式に比べたら造形に使う材料も本体価格も高価ですが、精密さが追及されるものを造形するならやはりSLA方式ですよね。(SLSはまだまだ高価なので個人ではちょっとまだまだ無理ですが)
詳細なスペックは下記URLをご覧ください
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