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1時間に1000ccもの容積を造形できる超高速LCD-SLAプリンタ「SLASH」

3Dプリンターと一概に言っても方式によって色々とあります。一番メジャーで種類も多いのが熱溶解(FDM)方式と言ってフィラメントと呼ばれる糸状のプラスティックを熱で溶かしながら造形していくものが一番安価で広く普及しています。そしてその他に光造形(SLA)方式と言ってレジンと呼ばれる液体状の樹脂を紫外線レーザーを照射する事で固めて造形していく方式、その他に粉末焼結積層造形と言う粉状の物質にレーザーを当てて焼結させて固めて造形する方式が見聞きした事ある3Dプリンターで、その他にインクジェット方式と言ってSLAと同じ様にプリンターヘッドから紫外線硬化樹脂を噴射しつつ紫外線を当てて固める方式、その他にも石膏3Dプリンターと言うものもあります。

この中でも近年その進歩が著しいのが光造形(SLA)プリンタです。以前はLASE-SLAと言って1本のレーザーを移動させながら照射して固めて行ったので、きめ細かい造形物は作れても、その造形時間は半端なく長いものでした。その次に登場したのがDLP-SLAで、簡単に説明するとプロジェクターを使って、造形物をスライスした像を投影して固めて行く方式で、レーザー光を動かすよりかなり高速に造形できる様になりましが、プロジェクターのレンズを使って照射するのでレンズの口径を大きくしないと造形物を大きくできないと言うデメリットがありました。

そこで新しく出て来たのがLCD-SLAと言って、液晶モニターそのものを点灯させてレジンを固めるプリンターです。このLCD-SLAの利点はモニターの大きさに比例して造形できるオブジェクトの大きさが決まるので、モニターを大きくすればする程、造形できるオブジェクトのサイズを大きくできると言う利点があります。


そしてこの「SLASH」はLCD-SLA方式を採用した3Dプリンターで、何と1時間あたり1000ccものレジンを固めて造形できる能力を持っています。今までのLASER-SLA方式のものが1時間あたり20cc程度しか造形できませんでしたから50倍ものスピードアップです。これで一晩かかっていた造形も十数分で終わる事ができます。

そして気になる造形サイズは縦横サイズはWQXGA(2560×1600、339 ppi)の7.5インチ(約12cm)×4.8ンチ(約19cm)インチで、分解能は75μm。高さは7.8インチ(約20cm)で分解能は10μmとSLAとは思えない大きなものを造形する事ができます。
またこの「SLASH」は大きなモニターをヘッドに採用しただけではありません。FDM方式でもそうなのですがきめ細かい造形物を作ろうと思うと材料の温度管理が重要です。特にこの「SLASH」はモニターを点灯させてレジン液を硬化させて行っているので、モニターそのものが発熱してしまいます。すると硬化温度が変わって来ますから低い温度の時と高い温度の時と同じだけ紫外線を照射すると硬化スピードが違うので必然的に出来上がった造形物は設計図通りのものではなく変形したものが出来上がってしまいます。
それをこの「SLASH」では温度が上がったレジンを冷やす事で硬化時間が変わらない様に温度を一定に保つクーリングシステムを取り入れています。

 

また3Dプリンターと言うとCADソフトを使わないと作れないのではないかと、勝手にハードルを高くしている人もいますが、この「SLASH」もそうですが、iPadやiPhone、Android端末にインストールしたアプリケーションから「SLASH」にダイレクトに接続して、リストから作ってみたい造形物を選んでボタン1つで造形する機能も備えていますから、初心者の人にでも使いやすい工夫がいくつもなされています。

もちろん、使い慣れた人は3D CADソフトを使って本格的に造形する事も可能ですよ

その他詳細なスペックについては下記URLをご覧ください

https://www.kickstarter.com/projects/644653534/slash-the-next-level-of-affordable-professional-3d

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