紫外線を照射する事で硬化する樹脂”レジン”は、アクセサリー作り等で使われる他、実は3Dプリンターの材料としても使われています。
今はLCD-SLAと言って液晶パネルのバックライトを白色のLEDバックライトから紫外線のバックライトに変え、液晶モニターに造形物の輪切りデータを表示した上でバックパネルの紫外線を当てる事で、層でレジンを硬化させて造形して行くと言うLCD方式がSLAプリンターでは主流です。
何故なら層で作って重ねて行く事ができますので、非常に出来上がりが早いと言うのが利点です。
一方その昔はどうしていたのかと言いますと、FDM方式の3Dプリンターと同じ様に造形データに沿って紫外線レーザーの照射方向を変えながらレジンを硬化させて行っていましたので、FDM同様とても時間がかかります。
しかも直径0.Xmmと言う非常に細いレーザー光を当てて硬化させて行くのですから、非常に繊細な造形はできますがとてつもなく時間がかかると言うのがボトルネックでした。
そんなちょっと欠点のあるレーザーSLAとレーザー彫刻と言う、共にレーザーを使うと言う事で両者を一緒にしてしまった「Rubanmaster」を今回はご紹介致します。
レーザーSLAのスペック
ではまずレーザーSLAプリンターとしての性能から見て行きます。
使用するレーザーモジュールの出力は120mWで、レーザースピードは600mm/sなので1秒間に60cmの照射が可能な非常に高速に可動なレンズマウント持っていますので、これくらい早ければLCD-SLAよりはモノによっては造形スピードは遅かったりしますが、でもレーザーSLAならではのLCD-SLAにはない、造形物の表面の滑らかさであるとか質感を味わう事ができます。
そして造形サイズは120mm×120mm×140mmと、ちょとした掌に乗るサイズフィギュアを作ったり、欠けたオモチャのパーツを復元したりと言った様にには十分なサイズです。
そして解像度はXYZ共に5μm、でレーザーの照射幅は25μmなので非常に細かです。
ひっくり返せばレーザー彫刻機
そしてこの「Rubanmaster」はひっくりかえばレーザー彫刻機に早変わりします。
この時ひっくり返すのはモノを吊って下からレーザーを当てて彫刻するよりもベッドの上に置いてレーザーを当てた方が複雑な構造にしなくても良いからでしょうが、このひっくり返してレーザー彫刻機にしてしまおうと言うアイデアが斬新です。
ただレーザーSLAに使っている120mWのレーザーモジュールでは、レーザーポインターに毛が生えた様な出力なのでレーザーで焦がして彫刻する様な事はできません。そこで2.5W出力にレーザーモジュールを交換するのですが、レーザーモジュールと言うのは寿命があるのでモジュールが交換できるこの「Rubanmaster」は普通はDIYでは交換できないレーザーモジュールを交換できるレーザーSLAプリンターとしても魅力的です。
そして彫刻サイズですが、SLA造形よりも少しサイズが大きくなり、130mm×130mm×140mm、そして解像度はこちらも5μmなので非常に細かな線も描く事が可能ですが、レーザーの出力が2.5Wなのでアクリルまでは何とか彫刻できますが、ガラスや金属への彫刻はできません。
複雑な形をしたものにも彫刻可能
そしてこのレーザー彫刻には位置調整が可能なキャリブレーション機能が備わっています。
これはレーザー彫刻するイメージを彫刻する素材に投影する事で、素材を動かして彫刻位置を調整する事ができると言うとても便利な機能です。
効果なレーザー彫刻機ですとカメラを内蔵しており、カメラで撮影した素材に出来上がりイメージを重ねて確認したりする事ができるのですが、安いレーザー彫刻機になると、一度彫刻してみないと出来上がりを確認する事はできませんので、この機能はとても有り難い機能です。
またベッドが上下する事で高さのあるものや凹凸のあるものにも彫刻する事ができますので、ある意味、かなりお得なコラボレーションとなっているレーザー加工機とでも呼べる「Rubanmaster」ですので、もし興味を持たれて詳細をご覧になりたい方は下記URLをご覧ください。
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