よく喫茶店などで見かける理科の実験器具の様にも見えなくはないサイホン式のコーヒーメーカーですが、このサイホン式と私たちがよく飲むペーパードリップ方式とでは同じ豆を使っていたとしても香りが断然違いますし、コーヒーオイルなども多く抽出され味も豊かで、なおかつ見た目は淹れ方が難しそうに見えるサイホン式ですが、タイマーを横においてしっかりと時間を計って同じ手順で淹れさえすれば、ペーパードリップとは違い安定した味を出す事ができます。
そして今回、そんなサイホン式のコーヒーメーカーを全自動にしたタイガー製の「Siphonysta」をご紹介致します。
ペーパードリップと変わらぬ速さでドリップ
まずサイホン式のコーヒーメーターがどの様にしてコーヒーを抽出するのかご存じない方に構造とメカニズムをまずはお伝えします。
サイホン式のコーヒーメーカーは2階式になっており、お湯を沸かすフラスコと、その上に乗せるロートとに分けられます。
まず下部のフラスコに水を注ぎ入れ、火にかけけるとお湯は次第に沸騰して行きます。
そして沸騰したのを確認した後、コーヒーの粉をセットしたロートをフラスコに差し込んでセットするのですがこの時、フラスコの中ではお湯が沸騰しており、沸騰したお湯からは気泡と共に水蒸気や空気がフラスコ内に充填され続けます。
そうなるとフラスコ内の空気や水蒸気の体積が増えて行きますのでやがて体積の増えた空気や水蒸気の圧力(気圧が上がる)でお湯をロートへと押し上げて行きフラスコの中にあったお湯は全ロートへと移動し、ここでコーヒーとお湯とが混ざり合います。
そしてロート内のお湯とコーヒーの粉が混ざった混合液を竹べらで一定時間かき混ぜた後、フラスコを加熱していた火元を取り除くとフラスコ内の空気は次第に冷えて気圧が下がって行きますので、今度はロートからフラスコ内へと抽出されたコーヒーが戻って行くと言うのが一連の動作と言うか手順で、ロートの底部には布フィルターがセットしてあり、コーヒーの粉がロートからフラスコ内へ混入するのを防いでいます。
そして本格的にサイホン式を楽しみたいと思うとおよそ全行程15分、後の道具を洗う時間を加味すると到底朝の忙しい時間に悠長にサイホン式コーヒーを淹れている場合ではありませんが、この「Siphonysta」はその操作を全て自動で行ってくれてたった3分でペーパードリップ並の手際の良さで淹れてくれます。
リアルなサイホン式で出せない味
そしてこの「Siphonysta」ではスイッチの操作で、風味(酸味・苦味)、強さ、お湯の温度、攪拌、醸造時間とコーヒーの味や風味に直結するパラメーターは自ら設定する事ができます。
特にサイホン式では沸騰したお湯で抽出する事になりますので、淹れたコーヒーの温度は90℃前後と非常に高温ですが、この「Siphonysta」では沸騰お湯の蒸気圧を利用して上のロートにお湯を移動させるのではなく、ロートとフラスコが上下逆さまになっており、直接お湯をロートに送り込みそして攪拌し、ロート内を加圧する事でパイプを伝い上部のフラスコへとコーヒーを移動させる様になっているので、お湯の温度は好みで何度にでも設定する事ができると言うのがこの「Siphonysta」のもう1つの特徴でもあります。
ただこの製品、タイガーのUS法人がKickstraterの下記ページで出資者を募っているイベントで日本への発送メニューは用意されていませんので、もし投資してみたいと思われている方は直接お問い合わせしてみて下さい。
https://www.kickstarter.com/projects/tigerusa/siphonysta-automated-siphon-coffee-brewing-system
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