最近、ECサイト等でUSB-C電源アダプタを探すと”GaN(窒化ガリウム)”と言う文字をよく目にします。
このGaNと言うのは半導体に使われる物質の1つで、従来はシリコンを使っていたのですが、この新素材のおかげでより低損失(つまりたくさんの電気を流しても発熱の少ない)の半導体を作る事ができる様になり、USB電源アダプタの小型化が促進されて行っているのですが、GaNパワー半導体は万能と言う訳ではなく、流せる電力の上限があります。
そのため、最大出力100Wと言うのが上限になって来て、USB-C1ポートだけなら最大100Wの出力が出せるのですが、USB-Cポートを2ポート備えていて2ポートを使って充電したとしても単純に50W+50Wの合計100W出せるのではなく、USB-Cの電力出力規格と、電源回路の特性によって片方は45W(15V3A)の出力が可能なのですが、もう片方は27W(9V/3A)か36W(12V/3A)の出力しか得る事ができず、15 or 16インチMacBook Proを2台同時に使用しながらの充電と言うのはできないのです。
そこで今回はMacBook Proを2台同時に使用しながら充電も可能なUSB-C電源アダプタ「Galio」をご紹介致します。
ハイブリットパワー半導体で出力アップ
この「Galio」は全ポート合わせて合計で120Wの出力を出せるパワーアダプターで、このクレジットカードサイズ大の大きさで100Wを超え、120Wの出力を出せたのがGaN(窒化ガリウム/ガルウムナイトライド)とSiC(炭化ケイ素/シリコンカーバイド)を使ったパワー半導体です。
GaNは既に見慣れた感がありますがSiCはご存じない方も多いでしょう。SiCは主に電気自動車や電車のモーターに電気を流す為のパワー半導体と用いられており、身近で使用している製品がないからなのですが、今回このGaNにSiCを加える事で低損失でより高出力を得る事ができる様になった為にこの「Galio」では最大で120Wもの出力を出せるのです。
USB-C×2ポート+USB-A×1ポート
そしてこの「Galio」にはUSB-Cポートが2ポート備えられ、USB-C PDとPPS(Programmable Power Supply : USB-C3.0のオプションとして用意されている高速充電規格)に対応しており、PPSで3.3〜20V/5Aの出力が可能な他、USB-C PDでは5V/3A、9V/3A、12V/3A、15V/3A、20V/5AでそれぞれのUSB-Cポートは出力可能な他、何と両ポートを同時に使用した場合、60W(20V/3A)+60W(20V/3A)で出力が可能です。
またUSB-Aは急速充電規格QuickCharge4.0にも対応しており4.5V/5A、5V/4.5A、9V/3A、12V/2.5A、20V/1.5Aで最大30Wでの出力が可能です。
同時充電時の出力性能
では同時に複数の出力ポートを使用して充電した場合の出力性能ですが、
USB-CとUSB-Cを使用した場合は最大60W+60W
USB-CとUSB-Aを使用した場合は最大87W+30W
3ポート全てを使用した場合、最大60W+30W+30W
と言う様な出力電源の割り振りとなり、USB-C1ポートだけでしたら当然、100Wの出力が可能となっており、MacBook Proを2台同時に充電可能なUSB-C電源アダプタをお探しの方で興味を持たれた方は下記URLにて詳細はご覧ください。
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