DIY好きで色々な道具をそろえている方は多いかと思いますが、ロボット等のフレームを作るとなると昔はボール盤やフライス盤と言ったものを駆使して1枚の金属版等から切り出していましたが、今や安価なFDM方式の3Dプリンターがあれば簡単にボディーは作れてしまいます。ただいくら簡単に様々な形が作れる3Dプリンターと言えど、強度と言う点においては金属にはかないません。そんな金属を簡単に3Dプリンター同様に加工できるのがCNC(Computer(ized) Numerical(ly) Control(led)) と言う工作機械です。
そのCNC加工機を材料とアイデアで金属フレームを使ったCNCマシン並みの剛性を保ちつつ材料原価を下げる事で個人でも買える値段にしたのがこの「FR4」です。
この「FR4」の特徴は何と言っても身近なTVやBDレコーダーの中に入っている電子回路を作るベース(道)となるガラスエポキシ基板をボディーフレームに利用している事です。ガラスエポキシ基板とはその名の通りガラス繊維が入った基板で非常に硬く、切断にはダイヤモンドカッターを使わないと普通の鋼の刃ですとすぐに刃がボロボロになってしまうくらい固いのです。
そのガラスエポキシ基盤を利用する事で、アルミフレーム並みの剛性と熱による変形への強さ、そして何と言っても元々は電子回路のベースとなる基板なのですから、ボディーフレームに回路パターンを描く事でボディーにダイレクトに部品をマウントする事で余分な回路基板をマウントする必要もありませんし、ボディーにパターンを描いておけば余分な配線を取りまわす必要がありませんので、部材の節約、スペースの有効活用、製造コストの削減に寄与しています。
ですからこの「FR4」で目にする配線はモーターへ接続される配線だけとなっています。
そしてこの「FR4」の特徴はそれだけではありません。完全に自分で1から組み立て&ハンダ付けをしなければならないDIY品だと言う事です。フレーム部分は1枚の基板をエッチングしてカット線が入った状態で送られて来ますから、これをまずは切り離します。
そしてネジ止めではなく、ハンダでフレーム同士をハンダして組み立てて行きますからハンダコテは必須ですし、ハンダコテも基板同士のハンダは高温で大量のハンダを溶かして接続しなければならず、コネクタ等の部品のハンダは温度が高いとコネクタを溶かしてしまうので温度の低いハンダが必要になりますから温度調整式のものを用意するか2本用意するのがベターです。
そして部品は全てフレームとなる基板にマウントして行きます。
コントローラーはArduino UNO、Raspberry Pi、Beagle Boardが使えますからもし余っているこれらマイコンボードがあればGBRLプログラムを書き込んで差し込んでセットするだけです。
またモータードライバーもカード型になっていて差し込むだけですので、この「FR4」に付属して来るヘッド用のモータードライバーはフライスヘッド用のモーター制御ドライバーですが、後から顕微鏡ヘッドモジュールやレーザー加工モジュールと言ったものもオプションでのリリースを考えている様ですので、将来これらヘッドに交換する場合は制御用のドライバーもカードを抜いて挿すだけと簡単に交換、換装ができる様に考えられています。
ちなみに加工範囲ですが、125×75×50mmで、位置制御の分解能は5μmピッチですから、かなり細かい彫刻も可能になっていますから、チップ部品を使った片面基板の試作等も手軽にできますよ。
なお、詳細なデータについては下記URLをご覧ください
https://www.kickstarter.com/projects/1090944145/fr4-machine-shield
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