みなさんはiPhone等のスマートフォンだけで撮影された映画があると言うのはご存じでしょうか?先月アメリカではソダーバーグ監督の「Unsane」が前編iPhoneで撮影された事が話題になっていましたが、4K撮影が可能になったスマートフォンや今や専用のカメラを使わなくても映画撮影までをもできる様になっています。
これは1つはスマートフォンが商用レベルのカメラ並のCCDを搭載している事と、その撮影を可能にするレンズが数々開発されてリリースされている事にもよります。通常、iPhoneの動画のアスペクト比:16:9で家庭のテレビと同で、映画は2.35:1と横方向に幅広になっていますので(ワイドスクリーンの映像をテレビで見ると上下に黒い帯(アスペクト比がトリミングされていない場合)が入ってしまいます)、iPhoneで撮影した映像をそのまま劇場のスクリーンに映し出すと異様に横に伸びた絵(人はみんな太って見えると言う現象を起こします)になります。
ですから撮影した画像の上下をカットしてアスペクト比を合わせて横長の映像にするのではなく最初から横長の映像と撮影しようとすると専用のレンズが必要になって来るのですが、今回紹介する「Anamorphic Lens」はそんな横長の映像を撮影可能にするレンズになります。
でも普通に市販されているワイドレンズではダメなの?と思われる方、ワイド広角レンズで撮影した映像を詳細に見て頂くと縦や横に伸びた一本のラインが扇形の様に湾曲しているのが見て取れるのがわかると思います。そう普通のワイド広角レンズではレンズの曲面に合わせて映像が歪みます。
ですがレンズを組み合わせる事でその歪みを抑えたレンズもあり、その1つが今回紹介するアナモルフィックレンズです。
このレンズは昔、アスペクト比3:2の35mmフィルムに、より広範囲の映像を正確に記録できないか?と考えられたレンズで、アナモルフィックレンズを使う事で横方向で33%広い映像を撮影を同じ35mmフィルムに記録する事でき、再生する時は同じアスペクト比1:1.33のレンズを使って投影する事でワイドスクリーンの映像を再生できると言う技術です。
つまりこのアナモルフィックレンズを使うと撮影機材は変えずにレンズを交換するだけで上下の切れていないワイドスクリーン映像を撮影する事が可能になるのです。
ではiPhoneをはじめとしてスマートフォン用のアナモルフィックレンズは今までに市販されていなかったのか?と言いますと、実はかなり昔から発売されています。ただ今回紹介します「Anamorphic Lens」にはより良い映像を撮影する為のオプションが多数用意されており、その1つがフィルターマウントです。
この「Anamorphic Lens」には脱着式の62mmサイズのフィルターが使えるマウントが用意されており、カメラ用の数多く発売されているPLフィルター等が使えますので、デジタルではなくアナログ的なエフェクトをかけた味のある映像を撮影する事ができます。
そして次はジンバルのバッテリー消費を抑え、スマートフォンの揺れを少なくするカウンターウェイトです。マジックテープでアームに巻き付けるカウンターウェイトは60,90,120gと重量を変える事ができ、スマートフォンの重力と取り付ける場所に応じてウェイトの重さを変える事で映像の安定度が増し、そしてジンバル(スタビライザー)の稼働時間を増やします。
これは昔、理科の授業で天秤や滑車を扱った時に、重いオモリを持ち上げる時に先にそれ相応のオモリをつけておく事で加える力が少なくて済むと言う事を習ったかと思います。つまりスマートフォンの重さが200gだとするとジンバルのモーターは200gのモノを動かす仕事をしなければなりませんが、カウンターウェイトで100g乗せておくとモーターは100gの力を加えるだけで動かす事ができますので、モーターにかかる負荷が少なて済みますのでバッテリー消費が抑えられバランスが取りやすくなると言う事です。
またこの「Anamorphic Lens」にはアナモルフィックレンズを簡単に脱着させる事が可能なスマートフォンケースが用意されています。
iPhone X用には長時間撮影が可能な様にQiワイヤレス充電対応のバッテリー内蔵のケースが用意されている他、iPhone 6,7,8,Xのシリーズ全てとGalaxy8,9、PIxel1,2用にもケースが用意されています。
そしてこの他にもワンタッチで脱着可能なマクロレンズやワイド広角レンゾなどもラインナップされていますので、詳細につきましては下記URLをご覧ください。
https://www.kickstarter.com/projects/moment/the-future-of-mobile-filmmaking-anamorphic-battery
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