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時計のラバーバンドからプリント基板まで造形可能なインクジェット方式パーソナル3Dプリンター「NexD1」

 最近はFDM方式(Fused Deposition Modeling,熱溶解積層法)を使ったフィラメント呼ばれるプラスティックを溶かして造形して行く3Dペンなるものが子ども達の間で流行っているそうで、クリスマスプレゼントに子どもさんにねだれたと言う方もおらるとは思いますが、3Dプリンターは着実にゆっくりながら家庭の中に入って来ており数年後にはインクジェットプリンターが各家庭にある様にFDM方式の3Dプリンターが各家庭に入るのも近いかもしれません。
 そんな中3Dプリンターに関わる技術も確実に進歩して来ており最近注目されているのがインクジェット方式です。このインクジェット方式はインクジェットプリンターの様に液体をヘッドから射出してUV光などの射出された液体を硬化させる光を当てて固めて行く方式でインクジェットに光造形方式をミックスした様な方式になり、このインクジェット方式の利点は光造形では光で硬化する樹脂の入ったプールに底面からUVやレーザーを照射して固まった造形物を引き上げながら作って行く方式なのですが、光造形の難点は液体を途中で入れ替える事が非常に大変なのでほぼ単色でしか造形できなかったのですが、このインクジェット方式は色のついたUV硬化樹脂等を何色かセットしておく事でインクジェットプリンターの様にフルカラーで造形できるのが特徴で、その他にもUVや光で硬化する性質を持った樹脂やその他素材であれば何でも使えるのが利点で、その為に違う性質を持った例えばABS樹脂の様なものとゴムの様な柔軟性を持った樹脂の両方を使用して継ぎ目のない塩ビ管の様に固いのだけれどストローの様にフレキシブルフに曲がるストローチューブの様が作れるのです。

 それをStratasys社が特許を取得した”ポリジェット方式”と言うインクジェット方式の技術を使って家庭でも使える様にした3Dプリンターがこの「NexD1」です。

インクジェット方式 液体のプラスチック樹脂をノズルから噴射し、UV(紫外線)を照射し硬化させ積層していく。
精度が良い。材料がカセット方式であったり、サポート材の設計が自動化されているなど、専門家でなくとも扱い易い。
ストラタシス社では、「ポリジェット方式」と呼ぶ。


 ではまず、気になる造形サイズや解像度ですが、造形サイズは8インチ(20.32cm)四方で解像度は10ミクロンになり、この「NexD1」は最大6つのカートリッジを装着してプリントする事が可能なのですが、この「NexD1」はポリジェット方式で使われているUVを硬化光源とし、200個もあるノズルヘッドから一斉に液体素材を射出し高出力のUVレーザーで硬化して行きますのでそのスピードは単純ではないにしてもFDM方式の100倍にはなりますので、今までの様にオフィスから帰る前や寝る前にプリントし始めて翌朝出来上がりを確認していたものがちょっとコーヒーブレイクしている間に造形されてしまいますから今まで何日もかかっていた作業がたった数時間、1日で仕上げる事ができる様になりますので作業が非常に効率的になります。

 そしてFDM方式や光造形方式では苦手な非常に柔らかい性質を持った素材を使って造形できるのもこのインクジェット方式の特徴です。例えばシリコンの様な素材やゴムの様な素材を使って造形する場合は必ず形が変形しない様にサポート材で形が変形しない様に造形物を支えてあげる必要がありますが、このポリジェットプリンターでは固いゼリーの様なフォトプリマー素材をサポート材に使う事で柔らかい素材を包み込みながら造形しますから例えばゴムボールの様なものも作ろうと思えば作れますし、サポート材はゼリーの様な素材なので流水で洗い流せば砕けて流れてしまいますので後からバリ取りをしたりと言う作業が全く不要です。

 またこの「NexD1」には導電性素材が用意されており解像度が10ミクロンなので最低10ミクロンと言う配線間ピッチでプリント回路基板を作る事ができると言う事です。これはDIYでプリント基板を作っている人にとってはまさに夢の様なマシンですよね。と言いますのも普通は生基板をエッチングするなりCNCで切削するなりして基板を作りますが、この「NexD1」では例えばダイレクトにケースに回路をプリントして基板とケースを一体化する事ができたり、ゴムプラスティック素材と組み合わせる事でDIYでフレキシブル基板だって作のも夢ではありません。

 そして「NexD1」のオプションとして用意しているカートリッジはフルカラープリントを可能にする(硬質不透明プラスチックになります) 

 シアンカートリッジ
 マゼンタカートリッジ
 イエローカートリッジ
 ブラックカートリッジ

 そして電子回路基板を作為に必要な”導電性素材カートリッジ”にそして”高耐熱性プラスチックカートリッジ”,”ゴムプラスチックカートリッジ”,”サポート材カートリッジ”等か用意されていますし、もちろん国内で手に入るポリジェット用素材であればどの様な素材でも使用可能ですので、詳細については下記URLをご覧ください

https://www.kickstarter.com/projects/1947576577/the-nexd1-the-first-multimaterial-and-electronics

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