フィラメントと言う樹脂棒を溶かしながら造形を行うFDM方式の3Dプリンターは、基本的には単色で造形して行きますので、色をつけたい、色を分けたいと言う様な場合は色ごとにパーツ分けして造形を行う後から組み立てるか、塗装するのが一般的です。
ただ、あまり多くはありませんが、複数のヘッドを持ち、違う色のフィラメントを使い造形を行うFDM方式の3Dプリンターや、ヘッドは1つだけれどフィラメントローダー内で合成されるものなど様々です。
ただ複数の素材を使って同時に造形できるFDM方式のプリンターは市販されるのはされていますが、2つのヘッドを搭載し2種類の違ったフィラメントを装填して複合素材造形を行う言うのが精一杯なのですが、今回紹介すると最大7種類の違う素材のフィラメントを使い3D造形が行える「Co Print」をご紹介致します。
「Co Print」はフィラメントローダー
今回紹介する「Co Print」は3Dプリンターではなく、フィラメントをヘッドに送る為のローダーになります。
つまり既に持っている3Dプリンターと組み合わせる事で多色造形、複合素材造形が可能になりますので組み合わせる事のできる3Dプリンターには一定の条件はあるものの、基本的には箱から取り出せばすぐに3Dプリントを開始する事ができる様なしっかりとしたケースで覆われた様な3Dプリンターでなければ利用可能で、特にアルミのレール・フレームを使った3Dプリンターは「Co Print」をそのまま固定できるのでベストです。
そして具体的な接続、使用は3Dプリンターのコントローラーからヘッドに繋がっているケーブルを「Co Print」に繋ぎ、「Co Print」からのケーブルをヘッドに繋ぐと言う、「Co Print」を間にかませると言う様な形で「Co Print」は使いますので、使い勝手と言う点においては今までとほぼ変わりません。
複合素材を使える魅力
そしてこの「Co Print」の最大の魅力は最大7つもの違った性質を持つ素材を使って3D造形できる所にあります。
例えばスマホケースを3Dプリンターで自作すると言った場合、デザイン面だけでなくスマートフォンの保護と言う観点からも硬度の高いPC(ポリカーボネート)、は柔軟性のあるTPU(熱可塑性ポリウレタン)を使うのがベストです。
ただこのどちらの素材もフィラメントが柔らかくなる軟化温度や素材の熱に対する加熱時の膨張率や冷却後の収縮率が違うので実際には同じ量のフィラメントを送り出していたのでは造形物が変形しますし、造形中に変形して行きますのでうまく造形できません。
しかも7つの素材を使うとなるとそれぞれ軟化温度が違いますので7つのヘッドを使い造形する方が制御は簡単なのですが、この「Co Print」では既に手持ちの3Dプリンターを使い、ヘッドの温度をフィラメント素材に合わせて変える事で3D造形可能にしている所がすごい所なのです。
また色に関しても7色も使えれば非常にカラフルなものが造形できますし、従来の様に分け、パーツのジョイント部分まで造形する必要がありませんし、組み立てたものはやはり強度的にも落ちますが、一体造形されれば強度も高く造形する事ができます。
作業はPrusaSlicer を使いGcode変換するだけ
そして多色、多素材造形を行うとアプリ(ソフト)の方も複雑な操作が必要なのではと思われる方もおられるかもしれませんが、実際のところはそんな事はなく、ただパーツ、部分ごとに色や素材の設定を分けた後、3Dデータをスライスデータに変換するPrusaSlicerを使いGcodeに変換して出力し、そのデータをメモリーカードにコピーし、3Dプリンター本体と「Co Print」にセットして3D造形するだけなので、従来とほぼ作業的には変わりませんのでご安心ください。
なお詳細につきましては下記URLをご覧ください。
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