マイコンを使ったプログラミングを始めると言った場合に、最初に何を選ぶか?が非常に重要です。日本で手に入りやすいマイコンボードと言うとArduinoですし、Arduinoは多くの書籍も販売されており、シールドと言って挿せば動く拡張ボードも星の数ほど販売されており、開発環境としてはArduinoがダントツに良いのですが使い勝手が良いとは言えません。
まずプログラムを書く環境ですが、mbedは最初からブラウザベースで開発する事を前提にコンパイラも作られているので、他人が作ったライブラリも簡単にブラウザで取り込んで利用する事ができますし、mbedボードにプログラムを書き込むのも、PCにmbedボードを接続すればUSBメモリーと同じ様に外部メモリーとして認識されるので実行ファイルをコピーするだけと簡単ですが、Arduinoはそうは行きません。Arduinoはシリアル通信でプログラムを書き込みますので、ドライバをインストールしたりしなければならずHIDデバイスとして認識するArduinoもありますが、プログラムの書き込みの仕方もクセがあり、しかも専用のアプリケーションを使わないと書き込みできませんから素人向けとは言えません。
更にmbedはC++を使っているのでPCを使ってC++でプログラムを書いた事がある方なら、そこで得た知識をそのまま生かす事ができますが、ArduinoはC++ライクな独自のArduino言語とでも言うべき言語を使っていますので、慣れるまでが大変です。
と言う事でこの「Pokitto」はArduinoではなくmbedを選択したmbedでプログラミングができるLED付きボタン付きのmbedボードになります。
では「Pokitto」のハードスペックはどうなっているのかと言いますと、
CPU: LPC11U68(Cortex-M0+ベースのマイコン 48MHz動作 256kBフラッシュ、36kB SRAM、4kB EEPROM)
グラフィック:2.0インチTFT液晶(解像度: 220×176 (高解像度),110×88 (標準解像度), 128×64 (Arduboyエミュレーションモード),84×48 (Gamebuinoエミュレーション))
サウンド:8ビットDACおよび8ビットPWM内蔵アンプ+内蔵スピーカー+3.5mmスレテオジャック内蔵, I2Cコントロール付きデジタルボリュームコントロール
電源:600mAh(実質650mAh)リチウムポリマーバッテリー内蔵, 外部USB電源端子
となっており、プログラミング環境もmbedオンライン環境のほか、他のmbedボードと同じ様にオフラインでのコーディングが行える”EmBitz”や”Code::Blocks”が使用可能で、ボードリリース合わせてLCD液晶モジュールやサウンド用のライブラリはPokitto.comにて提供されます。
また、pokittoにはArduino用に書かれたコンソール向けの白黒表示のゲームソースを数行のコードを足すだけでカラー化できる様な簡単に移植できる様にする数多くのライブラリが提供されますので、mbedって聞いた事ないし大丈夫かな?と思う方でも安心して下さい。
また「Pokitto」にはI/Oポート出力が備わっており、スイッチやセンサーを使ってゲーム以外にも例えば温度センサーや湿度センサーを追加して、LEDにリアルタイムで温湿度を表示する温湿度計を表示したり、I2Cポートを備えていますのでI2C接続のGPS受信ユニットを使ってGPS時計を作ったりGPSロガーを作ったりとゲーム以外にも拡張して様々な事ができる様に工夫されています。
Arduinoは様々なサードパーティー製のボードが発売されていますが、ことmbedとなるとまだまだそこまでメジャーではありませんが、完成された1つのハードを提供する事でハード設計の事は知らなくても、プログラムを書いて走らせればすぐに答えが返って来るガジェットは入門用としては良いのではないでしょうか?しかもそこで完結するのではなく、ある程度プログラムに慣れハードも拡張したみたと言う衝動に駆られた時に1からボードを購入してハードを設計するのは大変ですが、I/Oポートを設けて拡張性を持たせセンサーを買って来て挿せばすぐにその結果を表示できる様にしている所もまたいいですよね。それに掌サイズでどこにでも持って行けるってのもポイントが高いです。
なお詳細な事は下記URLをご覧ください。
https://www.kickstarter.com/projects/1754284174/pokitto-easy-to-learn-and-program-gaming-gadget
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