FDM(Fused Deposition Modeling/熱溶解積層法)方式の3DプリンターのみならずSLA方式であっても、造形物の解像度を左右するのは制御用のスティッピングモータです。
スティッピングモータと言うのは正確な位置決めができるモータでパルス波で制御するのですが、回転角(ステップ角)1.8°のスティッピングモータに10パルス入れたとするとキッチリと18°回って止まってくれると言うのが特徴で、FDM方式の3Dプリンターの様にノズルの位置を正確に動かし続けながらフィラメントを射出して行くプリンターにとってはこのスティッピングモータの解像度が造形物の仕上がりに大きく影響します。
またその他にも造形物の仕上がりを左右する要素はたくさんあり、ヘッドを動かした振動で3Dプリンターそのものが揺れては造形物も歪みますし、ベッドと呼んでいる土台の揺れも仕上がりに大きく影響しいかに静かにヘッドやベッドを動かすかなのですが、一般的にはヘッドの移動スピードを落として対処します。ところがヘッドの移動スピードを落とすと造形スピードが落ちて半日経ってもまだ出来上がっていない、1日経過しても出来上がっていないと言う事に繋がりますので、このあたりが相反する問題点となって来ます。
そこで今回は、$300ちょっと安価だけど、安くてやっぱり失敗したと言う事がないオススメ3Dプリンター「Rose Go」をご紹介致します。
造形スピードは最大70mm/s、トラベルスピード300mm/s
まずこの「Rose Go」が何故オススメなのかと言いますと、プリンタヘッドが固定(XYステージ上では動きますが、Z軸は固定です)され、ベッドが上下する様になっているからです。
一般的な安価な3DプリンターはDIYで組立られる様になっているだけでなく、ただフレームを組み合わせて行くだけでドライバーと六角レンチだけで組み立てられると書かれているので、ちょっとDIY好きな方であれば3Dプリンターを自作して見ようと言う気になってしまうのですが、ここが失敗の始まります。
組立式の3Dプリンターの場合、アルミ製の支柱をネジで固定して行くだけなのですが、ヘッドの移動でネジが割と早いペースで緩むので、使う度に増し締めをしないとヘッドの位置が変わって来て、何度造形しても失敗してしまう事があり、それを回避する為には自分でテーブルソーやボール盤を使いステーを作って補強してやるしかありません。
一方この「Rose Go」はフレームそのものに樹脂板を両側からアルミ板で挟んだ複合板を使用する事でヘッドの動きに合わせた揺れを吸収するだけでなくフレームそのものが歪まない様な構造になっています。また重いヘッドを上下させるのではななくベッドを上下させる事で、ヘッドの上下させた時の揺れによってノズルの位置が上下して造形物の精度に影響が出ない様に工夫されていますので、この方式はほぼ失敗がないのです。
それにより造形スピードは70mm/s(最大、1秒間に7cm分のフィラメントを射出できると言うスピード)、トラベルスピードと言ってヘッドを移動させるスピードは300mm/sと1秒間に30cm動かしても造形物の精度に影響が出ない作りとなっていますので、安価な3Dプリンターによくある造形スピードが遅くてイラッとしたり、半ば諦めたりと言う事がありません。
フレキシブルヒーターベッドで取り外しも楽々
この「Rose Go」はABSやPLAと言った一般的なフィラメント以外にTPUやPETGと言った特殊なフィラメントも使える様に最大180℃まで加熱可能なヒーターベッドを備えています。
ただヒーターベッドは加熱する事で樹脂がベッドに吸着し造形物が動かない様にしていますのでm取り外す時がなかなか外れなくて大変なのです。特にフィギュアの様な繊細な造形物の場合は強引に引き剥がして損傷すると言う様な事も考えられます。
そこでこの「Rose Go」では柔軟な曲がるヒーターベッドを採用する事でヘッドから造形物を分離しやすくしています。
16ポイントオートレベラーで造成精度向上
そしてもう1つこの「Rose Go」で見逃せないのがオートレベリング機能です。
これはベッドの位置がどこなのかを検出する事でノズルの先の位置を調整する機能なのですが、安価な3Dプリンターですとオートレベリング機能がなかったり、あっても1点のみの計測だったりして、ベッドが傾いているとノズルとベッド隙間ができてしまったり、ノズルがベッドに完全に当たったりして正確にプリントする事ができない上に、ネジで高さを調整して水平を出すのがとても大変なのですが、この「Rose Go」はそれを「Rose Go」そのものがベッド上16ポイントを計測して補正してくれますので、初心者にはとても助かります。
そんな「Rose Go」の造形サイズは最大125mm×110mm×135mmとなりますので、詳細につきましては下記URLをご覧ください。
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