PaspberryPiは非常に優秀なマイコンボードで、元々Linuxを走らせる事を目的として作られていますので、RasPiを使ったWebサーバー、メールサーバー、DNSサーバー、ファイルサーバーなどを簡単に構築する事が可能です。
また最近では様々な分野にRasPiは利用され、CCD(カメラ)をRasPiに接続し、OpenCV等の映像処理・画像処理ライブラリを使い、自走可能なロボットに搭載する事での自走ロボットの自動走行を可能にしたりします。
と言う様にRasPiは非常に優秀で様々な分野に活用でき、昨年末にはAndroid11を乗せる事に成功しているチームが出て来るなどしており、今後RasPiを使ったAndroidベースのタブレット装置やChromeBookの様なものが出て来る事も十分に考えられます。
そこで今回は高い負荷をかけた際のRasPi4の冷却を行うHAT規格の冷却ファンボード「Smart Fan」をご紹介致します。
HAT規格って?
HAT規格と言うのはRaspberryPiのI/Oポートを利用して拡張ボードを増設する為の規格で、基本的にはボードの大きさ(縦横はRaspberryPi同様サイズ)、I/Oコネクタの位置、ピン数、電気的特性が決まっているだけで、基本的にはベースとなるRasberryPiの上に乗せ、RaspberryPiからはみ出ず、乗せたボードの上の他の拡張ボードを乗せてもベースとなるRaspberryPiと通信(電気信号のやり取り)が出来る事を規定したものです。
よってRasberryPiではHAT規格に対応した拡張ボードをRaspberryPi上に積み上げて接続する事で、ハード設計等の知識がなくても市販の拡張ボードを利用する事で様々な制御が可能となっています。
問題点:HAT規格に対応しない冷却装置ばかり
ところがRaspberryPi用の冷却装置はと言えば、RaspberryPi財団が昨年末にリリースした$5の超安価な冷却ファンは残念ながらHAT規格に対応していませんし、その他サードパーティーからリリースされている空冷・水冷・自然冷却装置を含めて、HAT規格に対応したものは皆無で、RasberryPiをPCの様に使う使い方しか想定されていませんが、例えばRasberryPiを使ってファイルサーバー(NASサーバー)を作った場合、大容量のファイルを読み書きしたり、ストリーミング再生を行うと言った負荷の高い作業をRasPiにさせると当然発熱しますし、動作保証温度を超えれば再起動(リブート)しますので、安定して動作させようと思えば冷却装置は必須です。
ですからRaspberryPiを冷却しつつHAT規格の拡張ボードを使う様な事があれば、この「Smart Fan」の様にHAT規格に対応したものがベストと言う訳です。
制御用のライブラリも用意
また「Smart Fan」はただファンが取り付けてあり、回り続けて冷却するだけではありません。
しっかりとPCのCPUファンの様にRasPiが温度上昇すればファンが回って冷却を促し、冷えてくればファンスピードを落とす、止めると言った制御用のライブラリ、プログラムがGitHun上に公開され、Pythonからスクリプト制御できる他、Node Redインタフェースを使うブラウザーからRasPiの温度監視及び制御も行える様になっていますので、もし興味を持たれた方は下記URLをご覧ください。
https://www.kickstarter.com/projects/279405789/smart-fan-ideal-cooling-solution-for-raspberry-pi
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