中国深センに本社を置くGPD社と言えばゲーミングUMPC(ウルトラモバイルPC)が真っ先に頭に思い浮かぶハードメーカーですが、8インチ前後のモニターを搭載した小型のPCであるにも関わらずGPUも搭載しゲームをプレイするのには十分なスペックを持つPCをリリースしては私たちを魅了するメーカーです。
そんなメーカーがサーバーやネットワーク機器、そしてFA機器の操作や保守に使える魅力的なPC「Pocket 3」をリリースして来ましたので、ご紹介致します。
RS-232Cモジュール
今回紹介する「Pocket 3」にはUSB3Gen2規格に対応したUSB-Aポートを3ポート備えているのですが、そのうち背面の1ポートだけは脱着可能なスワップ式モジュールとなっており、USB-Aコネクタに変わりRS-232Cモジュールに変更する事ができます。
RS-232Cって一般の方には既に馴染みのないものとなっておりRS-232Cを使ったデバイスもUSBに置き換わられて殆ど残っていませんが、産業分野ではまだまだ現役で、古いビルの電話の交換機などはRS-232CでしかPCと通信できなかったりしますし、専用の制御ソフトもWindows7かそれ以前のNTや98でしか動かないと言うものもまだまだ現役に存在していますので、RS-232Cポートを搭載したノートPCと言うのは貴重です。
更に保守系のノートPCには必要な情報が読み取れれば良いので12インチと言う大きなモニターは不要ですし逆に装置に接続した状態で片手で持て操作できるこの「Pocket 3」の様なPCの方がかえって使い易く現場作業には最適です。
ただ問題はこの「Pocket 3」は”Windows10 Home 64bit”をインストールしての出荷ですので、使っているソフトが32bitでしか動かなかったり既存のWin10マシンにインストールして動かないのであればせっかく魅力的な「Pocket 3」ですが諦めなければならないかもしれません。
後は仮想PC環境を作って古いOSを入れて動くか?ですが……
KVMモジュール
KVM(Kernel-based Virtual Machine:カーネルベースの仮想マシン)とは言うなればモニターやキーボード、マウスを接続していないラックマウントサーバー等に接続してこの「Pocket 3」のキーボードやトラックパットをラックマウントサーバーのキーボードやマウスとして使い、ラックマウントサーバーのディスプレイ出力を「Pocket 3」のモニターに映し出す機能です。
通常のノートPCではこう言った使い方は出来ませんでの、リモートアクセスもできないラックマウントサーバーには直接モニターやキーボードを接続して点検するのですが、そう言う時にサーバー室にモニターやキーボードがないとわざわざ持って行かなくてはいけませんが、この「Pocket 3」があればそう言った備えがあるかないか分からない様な場所へ保守に行く場合でも「Pocket 3」とケーブルさえ持って行けば保守が行えますので、便利なのは間違いありません。
ベーシックバージョンとハイエンドバージョンの2タイプ
そんな「Pocket 3」にはベーシックバージョンとハイエンドバージョンの2タイプが用意されています。
ベーシックタイプはIntel Pentium Silver N6000/8Gメモリー/512G SSDでハイエンドバージョンはIntel Core i7-1195G7/16Gメモリー/1T SSDとなっています。
またI/O関係でベーシックタイプはUSB3.2 Gen2規格のTYPE-Cなのに対してハイエンドバージョンはThunderbolt4となっており、USB-Cにより8K@60Hzでの出力が可能になっているのが大きな違いです。
またディスプレイは10点マルチタッチのIPS液晶でタブレット使用も可能になっており、詳細なスペックをご覧になりたい方は下記URLをご覧ください。
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