樹脂を使った3Dプリンターと言えば、フィラメントと呼ばれる樹脂で作られた糸と言うかワイヤーを溶かしながら造形を行うFDM式が有名ですが、ペレットと呼ばれる樹脂の粒を材料に使用した3Dプリンターはご存じでしょうか?
まだまだ業務用しかなく家庭用のペレット式の3Dプリンターと言うのは皆無ですが、フィラメントを使ったFDM式の3Dプリンターはこのペレット式に置き換わって行くと予測されており、非常に有望な3Dプリンターで今回は家庭用のFDM式の3Dプリンターをペレット式に改造する事が出来る「NAW 3D」をご紹介致します。
ペレットを使う利点
フィラメントは言うなればペレットを加工して糸状にしたもので、フィラメントに加工する時点で加工費が加算されています。
一方でペレットは、樹脂加工を行う会社やメーカーにはこのペレット状態の樹脂粒が納品されますので、言うなればペレット式の3Dプリンターは加工される前の工業材料が使用出来ますので、材料費を大幅に圧縮する事が出来ます。
更に複数のフィラメントを使って多色造形や性質の異なるフィラメントを使って造形する場合、フィラメントを混ぜる為の複雑な構造のヘッドユニットが必要ですし、装置そのものも大きくなるため扱うのが大変ですが、ペレットになればペレットを補給するボックスの中に複数のペレットを混ぜて入れれば、新たな色を作り出す事ができますし、層状にペレットを重ねれば複数の色を使って3D造形する事が出来ます。
更に全く性質の異なる複数のペレットを混ぜて使えば新しい素材を作り出す事も可能で、これがペレット式の大きなメリットになります。
2種類のプリントヘッド
次に既にお持ちのFDM式の3Dプリンターをペレット式に改造する場合、ヘッドの交換とペレットをヘッドへと送り出すフィーダーを追加する必要があります。
そしてヘッドに関しては”W200”と”W200PLUS”と言う2種類のヘッドが用意されており、どちらも最大300℃までペレットを加熱し溶かして穴径0.2mm〜2.0mmまでのノズルを使って射出すると言うベーシックな機能は同じなのですが、”W200”は初心者向けのヘッドとして定義されており、ABS、TPU、TPV、PLA+CF、ABS+GFと言った5種類の素材が使用可能です。
一方で”W200 PLUS”は”W200”よりも多くのABS、TPU、TPV、PLA+CF、ABS+GF、PETG、GPPS、PC、PP、PEと言った10種類もの素材が使用する事が出来る様になっています。
ダブルレイヤーフレームの3Dプリンター
そして改造してペレット式に出来る様な3Dプリンターを持っておられない方には3Dプリンターそのものもラインアップしており、この3Dプリンターは通常Z軸は2本のアームで支えられていますが、X軸はシングルアームと言うのが一般的です。
ですがこの「NAW 3D」で用意されている3DプリンターはX軸アームを2本にしヘッドを2本のアームで支える事で振動等をより抑制する事が出来る様になっており、プリントスピードを早めたとしても安定して造形する事が出来る様になっています。
そしてこの3Dプリンターで造形できる造形物の最大ボリュームは300×300×320mmと30cm四方の大きなものまで造形が出来るほか、XY解像度は0.0125mm、Z軸解像度は0.005mmと0.2mmのノズルを使って射出すればSLA式の3Dプリンター並の精度で3D造形する事が出来る3Dプリンターとなっていますので、もし興味を持たれた方は詳細は下記URLをご覧ください。
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