FDM(Fused Deposition Modeling:熱溶解積層方式)式の3Dプリンターは3Dプリンターとしては老舗メーカーの3Dプリンターであっても、造形に失敗する事が稀にあり、原因として1番多いのが材料となるフィラメントの劣化で、フィラメントは長く空気にさらしておくと空気中の水分を吸収し劣化し、ポキポキと折れやすくなったり、スが入ったり、糸引きが多くなったりして造形に失敗する事が多くなります。
ただ一度湿気を吸ってしまったとしても乾燥させる事で元の品質を取り戻す事が出来ますので、フィラメントは造形の成否を左右する上でそう大きな問題でもなくなって来ていますが、もう1つの振動による影響は何ともしがたく、これは3Dプリンターを選ぶ上で非常に重要になって来ます。
そこで今回は、振動による影響を最小限に抑えるだけでなくFDM方式の3Dプリンターとしては文句の付けようがない「Phrozen Arco」をご紹介致します。
最大600mm/sのヘッドスピードでもほぼ揺れない剛性の高いフレーム
今回紹介するFDM方式の3Dプリンター「Phrozen Arco」で1番目立つのはプリンター台の上に乗っている4本のリールで、ついついこのリールに目が行ってしまいがちになるかと思いますが、この「Phrozen Arco」で1番の推しはプリンターのフレームの剛性の高さです。
例えば車で走行中に急停車した様な際に止まる時にガックンと身体が揺れると言うのを感じられた事はあるかと思いますが、3DプリンターでもこのXYステージを使った3Dプリンターはヘッドを高速で動かした際にヘッドの移動方向を変える際にヘッドの移動に関して発生する慣性力によってフレームが揺られるだけでなく、造形スピードが早くなればなるほどこの慣性の力は大きくなり、大きな慣性力によって引き起こされるプリンターの揺れは大きくなり、ベッドに乗っている造形物とノズルの位置をズラし、造形ムラであるとか失敗へと導いてしまいます。
そこで注目すべきなのはフレームで、建物でもそうですが、柱が太くドッシリとした構えの建物は多少の地震の揺れに対してもビクともしませんが、柱の細い木造家屋などは対照的に大きく揺れるのと同じに様に、この3Dプリンター「Phrozen Arco」はでは同等の造形ボリュームを持つ3Dプリンターと比較しても非常に太いフレームを採用しており、いくらヘッドを高速で動かしても3Dプリンターが揺れ動くと言う事はありませんので、揺れでヘッドが動き造形に失敗すると言った事が起こらない様になっています。
同時に4色のフィラメントを使って多色造形
次にこの「Phrozen Arco」のバリエーションの中には。4色のフィラメント切替えて射出造形する事が出来る機能が備わっています。
一方で一般的な3Dプリンターで同時に扱えるフィラメントの数は1本なので、色分けして造形した上で合体させるしかありませんが、この「Phrozen Arco」では4種類のフィラメントを切替ながら造形出来ますので、結果的にプリントの時間を短縮できるだけでなく造形物の剛性も非常に高く、嵌合部分なども設計しなくて良くただ色分けするだけですので設計も楽になります。
造形ボリュームは30cm四方
そしてこの3Dプリンター「Phrozen Arco」のもう1つの魅力は造形ボリュームが30cm四方と非常に大きい事です。
さすがに30cm四方ともなればフィギュアなども縮小せずに造形する事が出来ますし、丼鉢の様な大きな容器も3D造形する事が出来ますし、キーホルダーの様な小さなものを3D造形する場合は一度によりたくさんの数を3D造形する事が出来ますので、造形にかかる時間も短縮する事ができます。
しかも3Dプリンター本体は密閉式になっていますので、造形中の焼けたプラスティックの臭いが部屋の中に充満すると言った事もありませんし、プリンター内の温度も一定に保つ事が出来る事から温度変化による造形ムラなども防ぐ事ができたりと、非の打ち所のない完璧な設計となっていますので、もし興味を持たれた方は詳細は下記URLをご覧ください。
https://www.kickstarter.com/projects/phrozenmake/phrozen-arco-3d-printer-larger-faster-more-colors
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