Arduino互換機ボードの中の1つとして”Teensy”と言う互換ボードが2008年に登場して”Teensy1.0”はまだ”ATmega 90USB162”と言うATmegaのマイコンを使用していたのですが、このマイコンはUSBと直結できる事から”Teensy”は最初からUSB HIDデバイス(USBマウスやUSBキーボード等のUSB接続できる機器)として動作する事から簡単にUSBデバイスが作れると言う事で、PCと接続するUSBデバイスを開発したい人にとってはとても魅力的なArduino互換ボード(互換と言ってもArduinoIDEにTeensyduinoをインストールしてArduinoIDEでプログラム開発できるだけで、Arduinoの数あるどのボードともピン配置等互換性はありません)でした。
その後、”Teensy ++ 1.0″,”Teensy 2.0″,”Teensy++ 2.0″までがATmega社のマイコンを使用しつつバージョンアップを行い、その後登場した”Teensy-LC”や”Teensy 3.0″からはソフトバンクが買収を発表したARM社の32bitマイコンを採用する事で、高速にプログラムを動かせるばかりでなく、メモリーも潤沢に増えて、少々メモリーを喰う浮動小数点を使う計算をしてもメモリーオーバーが怒られる事もなく、その上USB-MIDI楽器としても動作し、I2S Aduioもサポートする事でDAC(D/Aコンバータ)をTeensyに接続するだけでTeensyから音を鳴らす事ができる上に、WS2812と言うたった1本or2本の信号線をデイジーチェーンするだけで1個1個のLEDの色を制御できるフルカラーLEDを直接接続できる様になったので光って音が鳴るイルミネーションやデバイスを作成しようと思った方はこれはすごくいい!!と思って使い始められた方も多くおられると思います。
その後、”Teensy 3.1″、”Teensy 3.2″が出てDACも搭載してアナログ音声出力ができる様になった上にCAN Busに対応して車両から簡単に2本の線で車両の全ての情報を取得して制御できるデバイスまでもが簡単に作れる様になりました。
そしてその”Teensy “が今回更にバージョンアップしたのでご紹介したいと思います。
まず「Teensy 3.5 & 3.6」のハードウェア性能の互換部分は
※24番ピンまではTeensy 3.0~3.2までと互換があります。
- 62個のデジタルI/Oピン
- 25個の高解像度アナログ入力(分解能13bit)
- 2個アナログ出力(分解能12bit)
- 20個のPWM出力
- 14個のタイマー(PWMとは独立)
- DMA転送に対応したUSB
- 6つのUART(ハードウェアシリアルポート。うち2ポートはFIFO&高速ボーレート)
- 3個のSPIポート(うち1ポートはFIFO)
- 4個のI2Cポート
- 2個のCAN Bus
- I2Sオーディオポート、4チャンネルデジタルオーディオ入力&出力
- 100MBpsイーサネット通信が可能
- RTC搭載
- 暗号化アクセラレーション・ユニット
- 乱数ジェネレータ
- CRC演算ユニット
- microSDカードスロット搭載
となっており「Teensy 3.5」と「Teensy 3.6」で違う部分は
「Teensy 3.5」
- 32bit ARM Cortex-M4搭載(動作周波数:120MHz)
- 512KBフラッシュメモリ、192KB RAM、4KB EEPROM
- CAN BUSポート×1
- 16個のDMAチャンネル(USBとは独立)
- 5VトレラントI/Oピン
- USBフルスピード(12メガビット/秒)ポート
「Teensy 3.6」
- 32bit ARM Cortex-M4搭載(動作周波数:180MHz)
- 1MBフラッシュメモリ、256KB RAM、4KB EEPROM
- CAN BUSポート×2
- 32個のDMAチャンネル(USBとは独立)
- USB HIGHスピード(480メガビット/秒)ポート
- 11個のタッチセンサの入力可能ポート
となっています。
さてこれで何を作るかは貴方次第ですが、少なくともUSB-WiFiドンクルを接続すればIoT機器を簡単に作れそうですし、マイクを接続して音声認識や、CCDを接続して顔認証、
20個もPWM出力がありますから、20個もサーボが制御できればこれ1枚で2足歩行ロボットの制御もできちゃいますし、このボードを使って何を作るか?考えるだけでも楽しそうですよね。
なおTeensyに関する詳細については下記URLをご覧ください。
https://www.kickstarter.com/projects/paulstoffregen/teensy-35-and-36
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