CNC(Computer Numerical Control(コンピューター数値制御))は、コンピュータで描いた設計図を元に素材の加工を行う加工機の事で、主にドリルを使って素材を削りながら形を整え切り出して行きます。
ですから基本的には一般的な3Dプリンターも同じなのですが、大きなものを作ろうと思うと、それに見合った大型の加工機・装置が必要となって来ますので、大きな設置場所も必要ですし、装置そのものも大型化する事で非常に高価なものにもなります。
そこで今回は送り機構を搭載する事で、装置以上の大きさの素材を加工する事のできるCNC加工機「Raven CNC」をご紹介致します。
タイミングベルトを素材に貼り付け
今回紹介するCNC加工機「Raven CNC」は木材やアクリルと言った樹脂素材加工用のCNC加工機で、装置そのものの大きさは45.72cm×33.02cm×38.1cmしかありませんが、加工できる素材の大きさは最大、横幅39.37cm×厚み13.97cm×長さ365.76cmまでの加工が可能で、言うなれば床板や壁板にする様な3.5m弱素材を加工する事が可能です。
そしてその加工に欠かせないのがタイミングベルトで、何とタイミングベルトを直接、素材に貼ると言うのがこの「Raven CNC」の1つのポイントで、素材を傷つけない様にするとローラーの様なもので送るしかありませんが、ローラーで素材を移動させるとどうしても大きな素材で重さも重くなるとローラーを逆回転させたりした時ローラーが滑ったりすると、そこで加工位置が変わって来て正確な加工が出来なくなります。
その点、タイミングベルトを素材に貼り付けギアの回転によってベルトの貼られた素材を送っている最中にモーターを逆回転させてもタイミングベルトとギアがガッチリと噛み合っている事でギアやタイミングベルトが滑って材料が正確な長さの分だけ移動していないと言う様な不具合は発生しませんので、タイミングベルトを貼り付ける手間は出て来るものの非常に精度の高い加工が逆に可能になります。
初心者にも優しいDesigners4アプリ
次に「Raven CNC」で素材を加工するデータはWindowsないしMacで動く専用の”Designers4”アプリで行うのですが、このアプリは非常に初心者に優しく作られており、3D CADを触った事がない様な方でも簡単にデータを作れてしまうと言うのもポイントの高い所です。
例えば、名前を彫るとか言うのであれば、名前を入力し3Dデータ化した後に配置すれば、造形データは自動的に作ってくれますし、模様を描いたりするのが苦手、思いつかないと言った方は専用のストアからデザインデータをダウンロードし、データに配置する事で簡単に模様を作り出す事ができますし、その模様に関してもただデータを近づけて配置するだけで自動的にマージン処理はやってくれますので、細かな作業をせずにデータを作る事ができますので、超素人でも欄間を彫る事がこの「Raven CNC」なら可能になります。
3Dスキャナで取込加工
更にこの「Raven CNC」にはスキャニングプローブと呼んでいる、いわゆる3Dスキャンが可能な計測装置がオプションで用意されており、このスキャニングプローブを使う事で、立体的な加工物をそのままアプリの中にデータとして取込、複製する事ができるだけでなく、例えば取り込んだものが模様でしたらその模様の一部をコピーして、今制作中の造形物に取り込むと言った事も可能です。
またローターリーと呼ばれている、素材をセットし回転させる事ができる措置を使えば、装置以上の大きさの素材を加工する事はできませんが、例えば”こけし”の様なものも、この「Raven CNC」で加工する事も出来ますので、もし興味を持たれた方は詳細は下記URLをご覧ください。
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