ボストンダイナミクス社が製品化した四足歩行ロボットのスポットミニ(SpotMini)は、平地であろうが、ぬかるんだ場所であろうか、階段であろうが気にせず移動できる能力を持つだけでなくバク宙ができる運動性能を持ちつつ、スポットミニに取り付けるモジュールによって特定の作業を行わせたり、警備させたりと様々な分野で使えるロボットで、それを模した四足歩行ロボットは非常に多くリリースされています。
今回紹介する「Mini Pupper 2」もそんなミニチュア スポットミニの1つなのですが、既に市販されている”Mini Pupper”に姿勢制御機能が追加されたバージョンアップ版になります。
12自由度を持つ身体を左右に揺する事ができる四則歩行ロボット
一般的なホビーユースと言う割には高いので、四足歩行ロボットの制御プログラムを開発する為の研究ベースロボットで関節の自由度が高いもので8自由度あり、4つの足の膝を曲げる事ができる事で姿勢を水平に常に保つ事ができる様になっているため、坂などもひっくり返らずに登る事ができる他、ちょっとした段差なら超える事もできます。
ですが関節の自由度が低いと言う事は動きに制約がどうしてもあり、例えば災害現場を模した様な場所を移動できる制御プログラムを書いてみたいと思っても前後にしか重心位置を移動させる事ができませんので、斜めに傾斜した様な場所移動させる事は基本的には無理です。
一方この”Mini Pupper”シリーズではそれぞれの足に自由度をもう1つ持たせる事で全部で12自由度にし、足を横方向に出す事ができますので、斜面でも斜面の傾斜に沿って身体を斜めにする事でより安定して移動する事ができますし、カニ歩きをさせる事で狭い空間での方向転換も可能になります。
9軸センサーとGRF
次に「Mini Pupper 2」には9軸センサーが搭載されており”Mini Pupper”ではできなかった姿勢の制御が行える様になっている他、足や姿勢を制御する為のArduinoベースのESP32が搭載されており、より緻密な姿勢制御が行える様になっていますので、よほど急角度な斜面を移動させない限りは姿勢を崩して転倒したりと言うのはもちろん、プログラムの書き方とLiDARセンサー等を合わせる事で階段を上らせる様な制御も夢ではありません。
更にこの「Mini Pupper 2」の4つの足にはGRF (地面反力) フィードバックが備わっており、サーボの制御信号と足の位置情報との差を得る事で、例えば人間の様に歩行中に足を上げているつもりが上がっていなくて蹴躓くと言った事が起こす事なく、正確な姿勢制御が行える様になっています。
さらに追加された機能
またこの他にマイクやスピーカーが搭載された事で、音声認識エンジンを搭載するか、ネットワークに接続しクラウド型の音声認識エンジンを利用する事で声による操作ができる他、喋らせると言った事もできます。
またタッチセンサーを内蔵した事で、触っての操作、フィードバッグもプログラミングする事ができ、例えば撫でてやるとお座りをすると言ったプログラムも掛けます。
また開発環境はGitHubを使ったオープンソースで、日本語に対応した詳しい説明なども提供されている他、ボディーのSTLデータやFusion360用のデータも提供されており、自分自身でボディーを設計したり何かセンサーを取り付ける為のアダプタを設計したりする事も出来る様になっており、予めどう言った事が出来るのか?自分に本当に扱えるのかと言った事も確かめられる様になっていますので、もし興味を持たれた方は下記URLをご覧ください。
https://www.kickstarter.com/projects/336477435/mini-pupper-2-open-source-ros2-robot-kit-for-dreamers
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