LCD-SLA方式の光造形3Dプリンターはレジンと言う液体樹脂に紫外線を当てて硬化させる事で3D造形を行います。
そのため以前でしたら紫外線レーザーの光源を動かしながら造形していましたので、ほんの小さなジュエリーを造形するにも数時間の時間が必要でしたが、LCDディプレイを使いLCD-SLAディスプレイにスライスされたデータを表示させながら1層ずつ造形する事で造形時間を大幅に短縮できる様になりました。
ただ造形できる造形物の大きさは縦横サイズはLCDディスプレイの大きさに左右されますが、LCDディスプレイのサイズを大きくすると解像度の高いLCD-SLAを使用しませんと1ピクセルのサイズが大きくなるだけで造形物の解像度が落ちてしまいますので、LCD-SLA方式の3Dプリンターは造形物のサイズを大きくする事は出来ませんでした。
ですが今回紹介するLCD-SLA3Dプリンター「Apex-maker X1」は、8K解像度の16インチディスプレイを使う事で見事にサイズと解像度のアップを見事に実現しています。
高精細かつ高速
今回紹介するLCD-SLA3Dプリンター「Apex-maker X1」は、353×198×400mmと言う、今までの家庭向けのLCD-SLAプリンターとしては到底造形する事が出来なかった超巨大なフィギュアも分割せずに一気に3Dプリントする事ができるのが最大の特徴です。
そしてLCD-SLA方式の3Dプリンターは液晶ディスプレイにスライスデータを表示し、液晶ディスプレイを透過した紫外線が樹脂を固まらせて硬化させて行きますので、LCDディスプレイの解像度がそのまま造形の精度に直結しますので大きな造形物をLCD-SLA方式で造形しようとすればLCDディスプレイの解像度を上げるしかありません。
ですがHDクラスの解像度のディスプレイよりも4K解像度のディスプレイの方が高価ですし、更に8K解像度のディスプレイと更に高価になってしまうため、従来では8Kディスプレイを使っていても10インチ程度のものしかLCD-SLA方式の3Dプリンターとしては存在していませんでした。
ですが、8Kディスプレイの価格も徐々に低下して来ている事もあり、この「Apex-maker X1」では16インチサイズの8Kディスプレイを使う事で縦横353×198mmものサイズの造形物を作成する事ができ、その解像度は46μmと超高精細なので、フィギュアの髪の毛1本1本まで精密に再現する事が出来ます。
更にこの「Apex-maker X1」では、10mW/cm₂のハイパワー出力な紫外線LEDによってレジンを瞬時に硬化させる事ができますので、通常プリントでは30〜80mm/時間なのですが、ドラフトプリントなどでは何と180mm/時間の造形が可能で、この3Dプリンター「Apex-maker X1」で造形できる高さは400mmが最高ですので、2時間ちょっとで353×198×400mmもの大きさの造形物を造形する事が出来ます。
そして3Dプリント中は「Apex-maker X1」に搭載されたカメラを通して離れた場所からでも確認する事が出来る様になっています。
自動供給レジン
次に、これだけ大きな造形物を造形できるとなると、レジンの量も相当な量を必要とますので、レジンを入れておくための水槽も造形サイズ400mm以上の深さのものを本来なら用意しなくてはならず、そうなると装置そのものもかなり巨大になりますので一般家庭などでは置いておくのも大変です。
ですがこの「Apex-maker X1」ではレジンはレジンタンクから自動的に水槽へと供給される様になっており水槽の深さは数十mmで済みますので、装置そのものは小さいとは言えませんがそれでも高さ862mmまでに抑えられています。
更にヒーターを搭載して40〜60°の間でレジンの温度を一定にキープする機能も持っていますので、温度によるレジンの硬化ムラが出来たりしないのも精度の高さに繋がっていますし、自動供給によりレジン層が浅いと言うのも温度コントロールのし易さに繋がり結果的に品質の向上に繋がっています。
7インチディスプレイで造形データを確認
そしてこの3Dプリンター「Apex-maker X1」ではPCからWiFi経由でワイヤレス造形が行えるだけでなくUSBメモリーにデータを移動させ、USBメモリーを3Dプリンターに差し込んで3D造形すると言ったプリントの仕方も出来るのですが、通常3Dプリンター単独でプリントする場合はファイル名から3Dプリントする造形物を選択するしかなく、もしプリントする造形データを間違えたら高価なレジンを無駄に使ってしまう事になります。
そこでこの「Apex-maker X1」では、プリントする3Dデータを読み込んだ後、プリンターの画面上にレンタリングして表示させる事で何とプリント前にプリンター側で造形データを確認する事ができミスがない様によく考えられていますので、もし詳細をご覧になりたい方は下記URLをご覧ください。
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