昔であれば陶芸をやろうと思えば陶芸教室に通ったりしながら習うしか方法はありませんでしたが、今ではロクロや、手びねりで茶碗や湯飲みを作ってみたいと思ってネットで検索すれば事細かに映像と音声で解説された動画まで見つかる時代ですから、道具と場所さえあれば独学で陶芸も学ぶ事も不可能ではありません。
ただやはり陶芸でも何でもそうですが、モノ作りと言うのはセンスと器用さを持っていなければ、例えば陶芸であればお皿や茶碗、湯飲みと言った比較的単純な形状のものであれば問題ありませんが、急須の様なパーツで分かれていたり、作ったパーツを組み合わせなければならない様な、マグカップでもそうですが、そう言ったものはやはり経験と手先の器用さがなければちゃんとしたモノを仕上げるのは大変です。
そこで今回は複雑な形状のものも失敗なく造形可能なセラミック3Dプリンター「Microwave Kiln」をご紹介致します。
初心者に優しい完成品だからアンボックス後すぐに造形可能
この「Microwave Kiln」は3Dプリンターを触るのも初めてと言う方でもすぐに3D造形が可能な様に完成品状態で送って来ますのでアンボックス後に3Dプリンターに粘土の圧入機、そしてケーブルを接続すればすぐに使えアームを組み立てたりベッドを取り付けたり、水平を出したりと言う様な作業は一切不要なので、データは予め作っておく必要はありますが、アンボックスしてすぐに造形にかかれます。
そして造形サイズは最大15cm×15cm×24cmで積層ピッチは0.4mm〜1mmとセラミック3Dプリンターであると言う事を考えれば十分な性能で、大皿の様なものは作れませんが、ちょっとしたセラミック製の置物を作ったりと言う事もできますのでスペック的には初心者の方が使うには十分です。
ただインタフェースがSDカードにgcode形式のファイルをコピーしてからの造形しか選択肢がありませんので、タブレットやスマートフォンで造形モデルを制作される方にはちょっとハードルが高いかもしれません。
失敗の少ない機械圧入式を採用
そしてセラミック3Dプリンターで気を付ければならないのは、材料の粘土やセラミック素材の均一性が取られているかと言う事です。
市販のセラミック3Dプリンター用の素材でしたら3Dプリンターにチューニングされた状態で売られていますので、そのまま粘土を送り出す圧入機(送出機)に入れても問題ないのですが、自分で練った粘土や調合したセラミック素材、そして造形に失敗して一度水で溶かして再び練り上げた素材を使う様な場合、圧入機に均一に詰め込みませんと、3Dプリンターから射出される粘土やセラミック素材にムラが出ます。
ですからムラが出れば当然仕上がりに関係するだけでなく、厚みが薄かったり途中で空洞の部分が出来たりするともうそこでアウトです。
そこでこの「Microwave Kiln」では注射器のピストンの様な部品を空気圧ではなくモーターで一定スピードで押し出す事で材料の送出をムラをなくすだけでなく、ヘッドの方のモーターでも粘土の射出を機械式弁で調整する事でムラのない失敗のない造形が可能となっており、粘土の射出も10mm/s〜40mm/sと非常に高速なので普通の湯飲みですと造形するのに10分もかかりません。
電気炉不要、電子レンジ加熱炉(るつぼ)でok
次に陶芸で1番重要なのが本焼きと呼ばれる乾かしただけの陶器を焼いて固める作業です。
これには趣味のレベルでは電気炉と言って900℃から1000℃と言った非常に高温になる電気式の炉を使って焼いていたのですが、この電気炉は高価な上に場所も取るとあって一般的な家庭では余程広い家で土間のある作業場がない限り買って置いておけるものではありません。
ですが最近では電子レンジで焼く事のできる電子レンジ加熱炉(るつぼ)と言うものがあり、1万円程度でAmazon等でも購入する事ができ、1度に1つの作品しか焼けない上に造形できる最大サイズは電子レンジ加熱炉の大きさに縛られますのであまり大きな作品は作る事ができませんが、自宅で使う食器や小さな花瓶を作ったりすると言う様な用途であれば電子レンジ加熱炉で十分焼けます。
また器に模様を描いたりする際に使う釉薬も電子レンジ加熱炉専用のものがあったり、カラーも豊富に取りそろえてあったりしますので、もし興味を持たれた方は詳細は下記URLをご覧ください。
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