みなさんは”オシロスコープ”と”テスター”の違いってご存じでしょうか?”テスター”の方がみなさんにとっては馴染みが深いと思いますが、”テスター”が計測している回路の電圧、電球、抵抗値の今の値だけを表示するのに対して”オシロスコープ”は時系列で測定した電圧の値を表示する装置です。
ですからテスターとオシロスコープは用途が全く違いますので、どちらかをどちらかで代用する事はできないのですが、今回紹介します「Pokit Meter」は何とテスターとしてもオシロスコープとしても使える希な製品で、ポケットサイズで電池で駆動し、しかもディスプレイにスマートフォンやタブレットを利用すると言う、現場泣かせの”こう言うの欲しかったんやぁ〜(関西弁)”と思わず口から出てしまう商品なのです。
この「Pokit Meter」はCR2032ボタン電池1個で使い方にもよりますが最大1年程度は使えるポケットテスター!?1chオシロスコープで、縦51mm×横48mm×厚み17mmと言う円形のよくあるタブレット菓子が入っている様な形状をしたデバイスで、何とプローブが内蔵されており、ワイヤーが巻き取り式いなっていて、つかう時は引っ張りだし、収納する時はちょっと引っ張ってラッチを外すと勝手に自動巻き取りしてくれると言う、何とも使い勝手の良い測定機器に仕上がっています。
そしてスマートフォンに専用のアプリケーションをインストールし、Bluetoothで「Pokit Meter」とスマートフォンを接続し、アプリケーション上でテスターorオシロスコープのモードを選ぶ事でどちらにでも変身できるのですが、具体的なスペックとしては
テスターモードでは
直流電圧 : 10mV 〜 60V ±0.5%
交流電圧 : 10mV 〜 42V ±0.5%
直流電流 : 10mV 〜 2A ±0.5%
交流電流 : 10mV 〜 1.4A ±0.5%
抵抗 : 1 〜 10MΩ ±5%
気温 : 0 〜 60℃ ±1℃
ダイオードチェック(1.5V以下),導通チェック(5Ω以下)
オシロスコープでは
サンプリングレート:200k/sec
帯域幅:10kHz
分解能:14bit
となっており、1秒〜1日の間隔で設定できるロギング機能もあるなど、データロガーとしても使えます。
ただここでオシロスコープを日常的に使っている方なら、ちょっと周波数帯域が狭いな….と言うのが気になるかと思いますが、チャンネルは1chしかありませんし、スペックもそこそこなので本格的な計測と言うよりは現場で簡易的に波形を見たり、ちょっとユニバーサル基板やArduinoで作った回路をチェックすると言う用途に使うなど使い分けをすれば、テスターとオシロスコープが一体化しているこの「Pokit Meter」はかなり使えるかと思います。
またプロトコルアナライザやスペクトルアナライザと言ったものもアプリケーションのバージョンアップで対応できるのがこの「Pokit Meter」の魅力ですから、手軽なオシロスコープが欲しいと思っていた方には良いのではないでしょうか?
なお詳細なスペックや使い方の詳細につきましては下記URLをご覧ください。
https://www.kickstarter.com/projects/pokitmeter/a-multimeter-oscilloscope-and-logger-that-fits-in
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