そして今回紹介する「BIKI」はその昔なら”魚型ロボット”なんて呼ばれていたのですが、今では立派なドローンの一種で特に海草が生い茂った様な海底での撮影が得意です。
では何故この「BIKI」は海草類が生い茂った場所が得意なのか?それはこの「BIKI」の推進機構を見てもらえばわかります。この「BIKI」にはホンモノの魚と同じ様な”ヒレ”が備わっており、”ヒレ”を動かす事で水中の中を移動しますので、スクリューやダクトファンを搭載したドローンですとプロペラのガードをしっかりとつけたとしてもスクリューやダクトファンが細くて細かい海草を大量に吸い込むとそれがプロペラが巻き込み最悪はプロペラが動かなくなって航行不能に陥ります。でもその水中ドローンの主たる目的が海底探索で、海草の生い茂る場所へわざわざ行かなくて良いのであればそれでも良いのですが、この「BIKI」が作られたコンセプトの中には海中を泳ぐ魚の生態観察と言うものも入っており、魚と言うのは隠れ家でもある海草の中に住み着いている者もいますから、そう言う魚たちを撮影しようと思うとプロペラを搭載した水中ドローンでは不向きですし、プロペラが吐き出す水流に驚いて逃げてしまう事もありますが、この「BIKI」は静かに騒音を立てずに魚と同じ様な格好で泳いで移動しますので、魚の警戒心も弱まり普段の姿を撮影できると言う事なのです。
そんな「BIKI」の航行性能ですが、移動スピードは最大1.12mph(50cm/秒)で最大深度は何と約60m(196フィート)まで潜る事ができます。
しかもこの「BIKI」は水中ドローンでよく見られるケーブルが一切ついていないのです!!それは水中では電波が届かないからです。厳密に言うと周波数の低い電波であれば減衰が少ないので結構な距離でも電波は届くのですが、WiFiで使われている2.4GHz帯の電波ですと電力が半減する深度は約1cm、2cm潜れば25%、10cmも潜れば1%以下になってしまい電波は使えませんので、水中ドローンには通信のためのケーブルが繋がっているのですが、この「BIKI」にはそう言う通信の為のケーブルは一切ついていません!!それは何故か?高度な自動航行システムが内蔵されているからなのです。
この「BIKI」には姿勢を制御する為の加速度センサーやジャイロセンサー、地磁気センサーはもちろん搭載されていますので水中での姿勢を一定に保つのは得意です。そして障害物回避用の赤外線センサー(検出可能範囲:7~30cm)で周囲の障害物を検出して回避行動を取り、決して岩場の間に入ったりはしません。そしてもう1つはGPSです。GPSも水中では電波が届かないのですが、この「BIKI」は浮上と潜水を繰り返す事で浮上した時にGPSの電波を受信し、プログラミングされた航路を間違いなく進んでいるのかを確認しそしてGPSの電波で次、どの方向に進めば良いのかを判断して自動で潜水して進んで行くと言う、非常に高度な自動航行システムを搭載しているので、制御用のケーブルは必要ないと言うわけなのです。
またカメラに関しては画角150度の魚眼レンズが搭載され、カメラ部分にはスタビライザーが取付られていますので「BIKI」が左右に尾びれを振って推進する度に機体が揺れても安定した4K画質の画像が撮影可能ですし、その撮影した画像は内蔵の32GByteのメモリーに最大90~120分記録されます。また最大輝度114ルーメンのLED照明が2基搭載されていますので、暗い海底に潜っても非常に綺麗な映像を撮影する事ができます。
そしてその撮影した映像は「BIKI」が水面近くを航行しているのであれば最大25mまでの距離ならばWiFiを使用してスマートフォンにリアルタイムの映像を送信して見る事ができますし、最大50mまでならスマートフォンで「BIKI」をマニュアル操作する事もできる様に作られています。
また操作に関しては超音波を使った水中コントローラーが用意されており、このリモコンを水中で漬けてボタンを押す事で、超音波を使って最大10m離れていても操作する事ができます。
またこの「BIKI」にはオートリターンモードも備わっており、バッテリーが切れそうになる前の早い段階や、指定されたポイントを航行し終えるとGPSを利用して指定した位置まで必ず戻って来ると言う機能もありますので、沈んだまま戻って来ない!!と言う様な事はない様にも設計されていますので、そのあたりの心配も無用になっていますので、詳細なスペックや機能につきましては下記URLをご覧ください。
https://www.kickstarter.com/projects/1114649432/biki-first-bionic-wireless-underwater-fish-drone
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